自立したキャリア女性スタイル。皇后雅子さまの最後の外務省ファッション

1993年2月9日、贈られた花束とともに、外務省を後に。写真:Haruyoshi Yamaguchi/アフロ

今から31年前ご婚約発表後、約6年在籍された外務省を退職されるため、挨拶にいらした際の小和田雅子さん(当時)です。

奇しくも愛子さまと同様、ネイビーをお召しになっていて、クルーネックのショートジャケットにタイトスカートといった、当時を代表するキャリア女性スタイルでありつつ、その実現在に至るまで皇后雅子さまの定番ともいえるデザインやシルエットですね。

サイズ感こそ、当時はボディーフィットでスカート丈も膝丈と、時代や年齢を感じさせますが、ベーシックでシャープなお洋服選び(特にタイトスカート)は、自立した女性のお手本のように、皇后雅子さまにとてもお似合いです。

また、この時お履きになっているパンプスもローヒールと、これも愛子さまと同じ。もしかしたら皇后雅子さまのアドバイスがあったのかもしれませんね。
 

 


雅子さまのヘア&メイクと小物使い

ご結婚以前から皇后雅子さまのお洒落ぶりがうかがえるのが、小物使いです。定番的なスーツに華を添え、個性をプラスされているのが、ブルー×グリーンのプリントスカーフ。写真:Haruyoshi Yamaguchi/アフロ

折りたたんだスカーフをひと結びして、重なる部分にブローチを着けて動いても固定されるように工夫がされているほか、胸ポケットにも同柄のチーフを入れ、上半身にアクセントをつけられているところにセンスの良さがうかがえます。

90年代を象徴する、華やかでゴージャスともいえるスタイルですが、スカーフのビビッドな配色からは、外交官という国際的なお仕事をされていた皇后雅子さまらしさが感じられます。

そして、当時のトレンドとも言える、立ち上げた前髪に、メークはスモーキーなブラウン系。仕上げは赤みのある口紅で、キリッとメリハリをつけられているのも素敵です。

愛子さまにとってはお仕事の初日、皇后雅子さまは最後の出勤日と、当然ながら仕事の経験値が全く異なるおふた方のファッションでしたが、お二人がお揃いでネイビーを選ばれていたのは単なる偶然でしょうか……。

かつてのご自身の外務省時代を思い出しながら、皇后雅子さまのアドバイスが生かされているかもしれない、愛子さまの今後のお仕事スタイルが楽しみです。


文/にしぐち瑞穂
 

 

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