2015.3.27

シーズンを前に・・・藍染め入門編はいかがでしょう

 

藍の葉から青色を得た最初の人は、どんな気持ちだったのだろうーーー。

染めの作業をしている夫たちの様子を見ていると、ふとそんなことを思います。

染め上がったものは、春の陽射しに当て、洗うことを繰り返すうちに藍の青が冴えてきます。フレアのTシャツワンピは今季のMy Dearest Blue...のものです。サンプルで色味の確認中です。

今年は注目度も高いようですし、天然・伝統・手仕事などというちょっとステキな印象の言葉で括られる藍染め。「懐かしいような・・・。でも、実はよくわからない・・・。」というのが、おそらく多くの方の藍染めへの率直な感想なのではないでしょうか。

それもそのはずです。

現代の藍染めは、その染色方法もわかりにくくなっています。化学的な合成藍インディゴピュアを使用するもの、藍の葉の染料に化学薬品を加えているもの、藍の葉の染料に昔ながらの天然成分のみを加えるものの大きく3つに分けられます。そして、この3つはそれぞれ別モノなのです。

天然成分のみを使って発酵で染め液を管理する「灰汁発酵建て(あくはっこうだて)」と呼ばれる昔ながらの藍染めを夫たちのLITMUSでは行っていますが、これは現代の藍染めの中では、もはや少数派。他の伝統工芸・技術にも共通していることですが、伝統的な藍染めも深刻な先細り状態です。

でも、この藍染めの仕組みは、知れば知るほど不思議。どうやって昔の人は藍の葉からこの技法を生み出したのか・・・。思いを馳せると、なんともロマンティックな気持ちになります。

 

藍染めの説明は、ブログを始めた時からぜひ行いたいテーマでした。でも、なかなかの大テーマなのです。。。

シーズンを前に、藍染めのことを知っていただけたらなとその一端を綴ってみます。今日は入門編ということで、少し噛み砕いてお話ししようと思います。長くなってしまいますが、お付き合いいただけたらうれしいです。

 

古の時代、青い色は植物に含まれる藍の色素成分である「インジガン」でしか生み出すことのできない色でした。

インジガンを含む植物は全世界に10数種類ほどあるそうです。それらの植物を使い、古代より世界の各地で藍染めは行われてきたことが歴史的にも認められています。日本でも、北海道から本州・四国・九州まではタデ藍で、沖縄は琉球藍が使用されています。

たとえば、生の葉をちぎってみると、その先の部分がほのかに青色に変色します。無色透明のインジガンは空気に触れると青に発色するという特徴を持っています。もちろん、この生の葉を使って染めを行うこともできますが、刈り取ってすぐに行わなければなりませんし、一回に染められる量もごくわずか。季節も場所も量も限定されてしまいます。

 

そして、昔の人は試行錯誤の結果、一年を通し藍の青色を得られる方法を得ました。世界の各地で、その風土にあった藍染めが生まれたのです。

沖縄以外の日本の各地に浸透したのが「灰汁発酵建て(あくはっこうだて)」。発酵した藍の葉の染料のもとを使用し、さらに発酵を重なる染色の方法です。

 

インジガンが溶け出している茶褐色のアルカリ状態の発酵液の中に生地を入れ、生地に液を吸着させます。その生地を取り出し、空気に触れさせ酸化させると、その時に初めてインジガンが青色に発色します。かつて理科で習った「酸化と還元」の原理で成り立っているのです。「藍の青が生まれる」、このプロセスはまさにそんな感じです。

いかにも化学らしい漢字やカタカナの文字が出てきますが、そのアルカリ状態の還元液の状態を管理しているのが「発酵」ということになり、「微生物」となるわけです。

それこそ、パンやお酒と同じように、発酵による藍染めも、実は生活の中の偶然から起こったものだったのかもしれませんね。

藍の液を作る=建てる(たてる)時に必要なのは、収穫した藍の葉を数ヶ月もかけて発酵させて作られた「すくも」という藍の染料の原料、鯖節を作るために使用した木の灰でとった灰汁(あく)、日本酒、小麦ふすま、石灰・・・など、生活の中にあるもの。

・・・藍建ての話は、ぜひまた改めて。微生物を育てる環境を作るためのあれこれは、まさに生き物を育てるのと同じような感覚です。

 

緑の葉から青色の衣を身にまとうようになるまでに費やされた人々の時間、努力、工夫、手の仕事・・・。藍の青を欲する気持ちの強さと深さたるや。どれほどのロマンに溢れていたことでしょう。

陽の光のもとで輝く並べられた藍の青を見ると、ふとそんなことを思います。そして、その例えようのない色味そのものにもそっと手を合わせたくなる、そんな時もあります。。。

 

側にいるからこそ、説明するのに苦労するLITMUSの藍染めを、気持ちよく紐解いてくれているのが、こちら。昨年の秋号ですが。

ライターさんの真摯な言葉選び、そして、フィルムにこだわった「写真家」というべきカメラマンさんの写真。これまで受けた取材の中でも、もっと好きなページです。

バックナンバーをご覧頂く機会があれば、ぜひ。

 

さて、LITMUSの藍染めは春が一番忙しい季節。

 

陽の光も藍染めに欠かせない大切な要素です。

藍染めにとっても、春の陽射しはありがたいもの。

この春の陽射しに藍の青が映えるんです。一年のうちで春の陽射しがもっとも藍色を引き立ててくれる気がします。

 

藍染め入門いかがでしたでしょうか。知っていただく機会になれば。

間もなく、桜の季節。春はやっぱり心躍りますね!

Good day!!