「お金が貯まらない」には、かならず理由がある!
お金の使い方はその人の生き方も示します。日ごろから節約しているつもりでも、なかなか貯金が増えないという人は、「いつのまにか散財」をしているのかもしれません。
昨年10月に刊行され、『めざましテレビ』『ZIP!』でも紹介された『かんたん家計ノート 2018』で、コラムを執筆された消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんに、すぐに実践できる、お金が貯まるヒントを厳選して5つ教えていただきました!
1. レシート、家計簿などを見直してみる
そんなにムダ使いしているつもりはないのに、どうも使い過ぎているという人は、レシートを見てみてください。
でも、見るのは買った物や金額ではなく、どのお店のレシートなのかです。コンビニ、スーパー、ドラッグストア、あるいは100円ショップでしょうか。レシートを見てみると、よく行っているお店はどこなのか、行く頻度はどのくらいなのかなど、普段の買い物行動が見えてきます。毎日寄っているお店があるなら、そこに行く回数を意識的に減らしてみて。「ついつい買い」がぐんと減ることでしょう。
また、家計簿をつけている場合は、自分の弱点を知るというツールとしても使えます。家計簿をただつけるだけでなく、「安い」「割引」「おトク」につられた買い方をしたものがないかを振り返るだけで、次の買い物のブレーキになります。
自分の買い物欲を刺激する弱点を、見直すことで把握して、大事なお金を守りましょう。
2. 家計の“聖域”を減らす
家計の支出には、暮らしのために必ず出て行くお金のほかに、どうしても削れない“聖域”にしてしまうものがあります。
習い事や趣味・娯楽の費用が、その代表的なもの。毎日の息抜きやストレス解消になるため、これだけは削れない! と、ついつい甘くなりがち。こういう“聖域”のお金が多いほど、支出は徐々に膨らんでしまいます。
息抜きは大切ですが、聖域にも使ってもいい金額の上限を決めることも必要です。もし、毎月1万円以上の支出があるなら、別途家計簿にその費目を立てて、使い過ぎを防ぎましょう。
3. ポイントはできるだけ貯めない
毎日普通に買い物をしているだけで、さまざまなポイントが貯まっていきます。スーパーや家電量販店、ドラッグストアの会員ポイントなど……せっかくなら貯めてから使いたいと思っていませんか? でも、それはもったいない話。会計の端数や、数円足りなくてお札をくずさなくてはいけないときに、現金代わりになるポイントを使うようにすれば、財布に小銭が増えません。現金代わりに使えるポイントは、貯め込まずにどんどん使いましょう。その分手元の現金を減らさないほうがずっとおトクです。
また、ポイントの有効期限も意識して。スーパーなどの買い物で貯まる現金ポイントは、1~2年程度で失効したり、年末や月末が期限になっていたりすることが多いのです。12月末で失効するポイントがあるなら、使わないともったいないですよね。自分が持っているポイントがいつまで有効かを意識しておくだけで「もったいない」が減らせます。
4. 財布をスッキリさせる
やりくりで大事なことは、財布にいくらあるかを把握すること。財布が小銭でパンパンではそれがわからないので、ついATMからお金を下ろしたり、クレジットカード払いですませたりしてしまうことに。
また、財布がレシートでいっぱいの人も要注意。それだけ買い物をしているのに、その内容を振り返ることなく買い続けている証拠だからです。使わないポイントカードや期限切れのクーポン券は処分、レシートも財布から出して管理しましょう。
財布がスッキリするとお金の出入りが見えやすくなり、使い方にも気をつけるようになるものです。
5. 冷蔵庫に保存しすぎない
食費節約の達人の冷蔵庫には特徴があります。それは、「冷蔵室はスカスカで、冷凍庫がぎっしり」ということ。食材を買ったらすぐに料理できるよう下準備をして保存しているからです。
では、食材をそのまましまってぎゅうぎゅうの冷蔵庫の場合はどうでしょうか。使い忘れの野菜や期限切れの調味料を奥から発見……これでは、お金を捨てているようなもの。たくさん買ったものはきちんと下ごしらえして保存し、食べきることを心がければ、食費も自然に減っていくはず。必要以上にまとめ買いをしないことも大切です。
これは冷蔵庫に限らず、家全体で見ても、同じことが言えます。
お金が貯まらない人の家は、ぱっと見てモノが多い家。特に押し入れや収納庫の中に何が入っているか、自分でもわからないという人は要注意。死蔵品が多いということは、それだけムダな買い物をしている証拠です。
本当に必要なものだけを買うことができる人は、お金の使い方にムダがなく、貯め上手というわけです。モノが少ないとあれこれ捜し回ることもなく、時間の節約にもつながります。我が家はどちらのタイプか、家の中を確認してみませんか?
自分で自分の「お金の弱点」を知る
お金を貯める方法は、「稼ぐこと」と「節約すること」、おもにこの二つです。収入以上にお金を貯めることはできません。そのため私たちは節約し、お金を浮かすことを考えます。ただし、苦しい節約は続きません。それより、いらないものにお金を使っていないかをまず考えましょう。
自分の買い物欲を刺激する弱点をしっかり把握し、今日からでもお金が貯まる生活を始めましょう。
松崎 のり子
消費経済ジャーナリスト。「ESSE」「レタスクラブ」などの生活情報誌の副編集長として20年以上、節約・マネー記事を担当。貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い癖にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)など。【消費経済リサーチルーム】
構成/庄山陽子(講談社)
巻頭イラスト/なとみみわ
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