強くてブレない、自然体なイメージのあるMEGUMIさん。ですが、著書『心に効く美容』では、まるで沼の底に沈んでいくかのように、負の感情から這い出せない時期があったことを打ち明けています。身体と心の不調に悩み、向き合いながらMEGUMIさんが見つけた、新たな人生の道筋とは——? 今回は特別に、『心に効く美容』から2回にわたり、ロングインタビューを抜粋してお届けします!

食べ物の味がしない、お腹がすかない...大切な人と別れ、暗い沼の底に沈んだからこそ得たもの【MEGUMI】_img0
 

MEGUMIさん
俳優・タレント。1981年生まれ。岡山県出身。雑誌やテレビ番組で活躍するほか、多くのドラマ・映画に出演し、2020年2月に映画『台風家族』『ひとよ』で第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。人生のテーマは「女性であることを最大限に経験し、それを伝え、世の中の女性を幸せにする」。23年刊の著書『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)は発行部数48万部に達した。

第1回「シングルマザーの母に育ててもらい、水着でバンジーを飛んだ私が、巣立つ息子に伝えたいただ一つのこと【MEGUMI】」>>

 

深い沼の底にいた1年前


去年、弱さの沼から這い上がれないほど、痛みの中にいた時期がありました。

当たり前に続くと思っていた環境の変化と別れ。変化していくことの恐怖心からいろいろな後悔が襲ってきては、自分の人生を進まなくてはいけないときが来たんだ……など、たくさんの葛藤の中で眠れず、答えが出ない日が続きました。

仕事への移動中の車の中で泣いて、現場で車から降りた瞬間から仕事に集中して、終わると移動中にまた泣いてと、感情のコントロールが利かず、マネージャーさんたちには申し訳なかったなと思っています。

自律神経が極限までおかしくなって、食べ物の味がしない。お腹がすかない。眠りが浅くてすぐに起きてしまう……。そんな“陰”モードに入ってしまうと、BADな思考がいくらでも押し寄せてくる。ただ仕事の現場でそれは全く関係のないこと。いつだって人前に立つときは一瞬でも弱さを表に出すわけにはいかない。辛い時期でしたが、問題から頭が離れられる時間があるというのが救いになったのも事実。仕事に本当に助けられました。人間、問題だけに向き合いすぎてしまうとよくない、ということも学びました。

臨床心理士の先生など、信頼のおける先生に話を聞いてもらったことも救いのきっかけになりました。自分だけのBADな渦の中から、守秘義務のあるプロフェッショナルな方たちに気持ちを吐き出すことで、自分の感情が少しずつ整理され、息ができるような感覚になったのを覚えています。