暖かな春のような、優しい色の花が届いた朝
少しぼんやりした頭で記憶を探るけど、届いた花の理由が?
寝ぐせで跳ねた髪をなでながら、お花屋さんに「私は忘れてしまっているのか、誰かの誕生日?私はお花を頼んでいたかしら?」そうたずねると「風間さんにお届けですよ、ご主人から。」とにっこりと微笑んで、きっとなんとも言えない顔をしていたであろう私に、たっぷりと膨らんだ大きな花束を差し出した。
送り主は夫だった。彼女らしい、こんな色の花を贈りたいと頼まれたのですよと、差し出された花束に添えられた言葉に驚く。私はこんなに暖かで優しいイメージなのか…夫に映る私はこんなにも愛らしいのかと、花束を抱えた自分を鏡で眺めると心が首を傾げた。笑
ん、それともこうあって欲しいという願望の花束なのか…そんな考えまでも浮かんだ。白いアスティエの1番大きな花瓶を選んで活けたその花束を、まあるいテーブルの真ん中に飾り眺めていたら、ほんわりと心が解けて和んだ。すると、ふと、、、ここは“嬉しい、喜ぶ”場面だぞ。そんなことも忘れていたことに気づきハッとした。まるで歌を忘れたカナリアみたい。その花に癒されるように「お花、嬉しい、ありがとう」とメールを送信。
10年一緒にいる私たちも時にはすれ違ったりもするもので…… しばらく距離をおいていたのですが、ちょうど1か月前に予約していたこの週末トリップに、仲直りのきっかけを与えられました。3週間ぶりに会う夫とは、ちょっぴり緊張感もともなうフレッシュなムードで、デートのはじまり。
箱根本箱へ到着すると、天井まで届く本に囲まれたロビーは友人たちの写真に見ていた感じよりも、こじんまりとしていて居心地の良い空間。
2、3冊の本を抱えた夫が、海もない場所に「1週間くらいこもりたいね!」なんて言うのは珍しく、ふたりとも早々に気に入って館内のあちこちに置かれた本を探索した。しばらくすると私はなんだか眠くなって本を抱えたまま夕食まで眠ってしまった。
お夕食では、どれからはじめようか…なんて、選ぶのが楽しい質の良いワインが多く、彼の好きなtettaという岡山で作られる日本のワインなどもセレクトされていて、写真のような琥珀色のオレンジワインもとても美味しく、私までいつもよりお酒がすすんでしまう。
料理は、生産者の思いが詰まった力のある食材をメインに、箱根のローカルガストロノミーを実現した、エネルギー溢れる「オーガニック&クレンジング」をテーマにした自然派イタリアン。それぞれの料理に合わせてホテルオリジナルに作られた作家ものの美しいガラスの器や、アミューズ、パンがのせられたワイルドな木の器、コスト削減のためにと選んで作ったというタイルの大皿まで、個性的な器も楽しませてくれた。販売してもらいたいわ‼︎ なんて話したりして。
写真は、撮り忘れたものもあり、1日目と2日目が混同していますスミマセン…。
まだ肌寒い夜には、暖炉の前にふたつ並んだエッグチェアーがベストポジション。
本当にワインが美味しくて、本を読みながら、食後にもう1杯飲み干してお部屋へ。
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