皆さん、こんにちは。梅津奏です。

ヘアドネーションしました!

約三年間伸ばし続けた髪を一気にばっさり。「眉とメシ」動画でお馴染みの「ESPER」で切ってもらいました。担当は大久保さんです♪


ロングヘアから解放された喜びはもちろん、「誰かの為になることをした」という意識が自分をじんわり温めていて、そのことに密かに驚いています。

働いて消費して納税して、これまでもそれなりに社会に関わってきたはず。そんな自分が、髪を寄付して急に社会参加を実感するなんて、なんだか不思議な話です。


資本主義社会に首まで浸かっている自分が、少しずつ変化しているのかな?
そんな今の私に影響を与えている本を、今日は三冊紹介します。


「世界は贈与でできている-資本主義の「すきま」を埋める倫理学」近内悠太

 

1985年生まれの新進気鋭の哲学者、近内悠太さんのデビュー作。第29回山本七平賞奨励賞受賞。インパクトのあるタイトルと表紙にビビッときて昨年購入。


交換の論理を採用している社会、つまり贈与を失った社会では、誰かに向かって「助けて」と乞うことが原理的にできなくなる。


先を見通すことが難しい社会を生きる上で、「僕らが必要としているにもかかわらずお金で買うことのできないものおよびその移動」=「贈与」の原理を理解することが必要だと、近内さんは書いています。

「ペイ・フォワード」のトレバーはなぜ死ななければならなかったのか?「テルマエ・ロマエ」のルシウスが日本のお風呂事情にいちいち驚愕する表情に、私たちは何を学ぶべきか?

キャッチーなコンテンツを使って解説されるので、パラパラと読むだけで面白いはず。ここだけの話、実家の両親(六十代)に是非読んでもらいたい箇所もありました(笑)

 

切った毛束。30cm超、ずっしり重いです。毛束の梱包とドナーシートの準備までを美容院がしてくれるので、あとは自分で送付します。


「ビジネスの未来-エコノミーにヒューマニティを取り戻す」山口周

 

「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」で有名な山口周さん。大学では哲学を学び、大学院では美術史を専攻。卒業後は電通やボストン・コンサルティンググループ等に勤務していたユニークな経歴の持ち主です。山口さんが書くものは、とにかく言葉が平易で分かりやすい。素晴らしい知性…。


私たちは、どこにいるのか?
私たちの社会はどのような文脈の最中にあるのか?
(中略)
この論点に対する考察をないがしろにしたまま、いたずらに短期的な対応策を積み重ねても、その結果として回復されるのは「過去の劣化コピー」でしかあり得ません。


コロナ禍で書かれた本作。私たちは何の気なしに「早く元の生活に戻りたい」と口にしますが、本当にそれが私たちの幸福なのでしょうか?


「便利で快適な世界」を「生きるに値する社会」へと変えていく


書店ではビジネス書の棚に置いてあると思うけれど、この本の汎用性はすごいと思います。「なぜ家に物が溢れるのだろう」と思う人はp.145~を読んで震えるだろうし、「将来やりたいことがない」「仕事が辛い」という家族に「甘えるな」と言ってしまう前にp.185~を一緒に読んでほしいし、お金の使い方を見直したい人はp.235~を読めばいい。現代人にとって万能薬のような一冊です。


「人新生の「資本論」」斎藤幸平

 

この本、かなり売れているようですね。新書大賞2021にも選出。著者は今勢いに乗る若き論客、斎藤幸平さん。ベルリン・フンボルト大学で哲学博士を修め、マルクスの専門家としても世界的に活躍中。NHK「100分de名著」一月期の講師も務めていらっしゃいました。

番組の中では徹頭徹尾、クリアな説明が感動的でした。ムズカシイ話を聞くときはチョコレートが必要。

 

先進国の人々は単に「転嫁」に対する「無知」を強制されるだけではない。自らの生活をより豊かにしてくれる、帝国的生活様式を望ましいものとして積極的に内面化するようになっていくのである。人々は無知の状態を欲望するようになり、真実を直視することを恐れる。「知らない」から「知りたくない」に変わっていくのだ。


先進国が大量生産・大量消費型の社会(帝国的生活様式)を続けられるのは、その犠牲をグローバル・サウス(かつて新興国と呼ばれていた国々)に押し付けているから。気候変動を防ぐには、そんなまやかしに逃げ込まずに資本主義システムを止めなければならない、という斎藤さんの強い主張が貫かれる一冊です。読む前には、「お説はもっとも。それではまたね(と、本棚の二列目にしまう)」系の本かなと思っていたのですが、読み始めるとぐいぐい引き込まれ一気読み。


レジ袋削減のために、エコバッグを買った?ペットボトル入り飲料を買わないようにマイボトルを持ち歩いている?車をハイブリッドカーにした?
はっきり言おう。その善意だけなら無意味に終わる。それどころか、その善意は有害でさえある。


資本主義を前提とした社会の仕組みを変えないまま、免罪符としての「SDGsなアクション」に逃げようとしても、自分たちの、そして後に続く世代の首を絞めるだけだと、斎藤さんは説きます。

資本主義は社会経済のエンジンでしょ?くらいに思っていましたが、もっと根本的なところから考えないといけないのかもしれないなあ。

 

こんな感じでしょうか。

紹介した三冊は、ビジネス書のジャンルで今売れている話題書です。そして著者は三人とも、哲学を学んできた人たち。

政治経済のような社会科学と、哲学や文学のような人文科学とは、現実世界ではパラレルワールドのような位置にあると思って生きてきました。大学受験時に学部を決めるときは、「(人文科学と違って)社会人になったときに役に立つから」と社会科学系を選びました。

そんな私の認識は、あまりにラフだったのかも。もっと勉強が必要です。

 

いやー、短いです。本来の自分を取り戻したという感じがします(笑)
美容師さんが私のブログを読んでくれて、「スプートニクの恋人」のみどりのイメージでカットしてくれました。すみれヘアでスプートニクTシャツ(ユニクロUT×村上春樹)を着てご機嫌の私。