春の葡萄畑

3年間続いたこの連載も、今回が最後です。

最初の1年は毎週、2年目は隔週、そして最後の1年はまた毎週、こんな私に3年間もお付き合い下さった読者の皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
記事への皆様のコメントも、3年間書き続けられた大きな要因でもあります。

 

でもさすがにコロナウイルスのロックダウンが1年間も続く中では、毎週お伝えする内容にも限りが出てきました。
私の記事にもう飽き飽きしてしまった読者の人も多いのでは?

この3年間で色々なことが世界中で起き、このコロナウイルスは世界をも変えてしまいました。日常生活が変わったこともありますが、そもそもの人間の行動、価値観が変わり、今後はその価値観をもとに、新しい生活が生まれるのかもしれません。

毎日会社に出社する必要が本当にあるのか? それによって企業は、仕事をするために本当に必要なスペースを考え直さなくてはなりませんし、所在地すら変わります。
要らなかったものが鮮明になります。

要らなかったものと必要になったものが分かれば、社会の経済も自ずと変化していきます。

経済が変化すれば、それによって私たちの生活も変化します。生活が変化したことで私たちの価値観も変化してきます。
もっと大きく言えば、人間の行動が変わることで、私たちの住む地球すら変わってくるのです。

人間が生み出す温室効果ガスが減れば、地球の気候温暖化も遅らせることが可能です。
『Kiss The Ground』というドキュメンタリーを、ぜひご覧ください。農薬に冒された土を元の豊かな土に戻すことで、どれだけの温室効果ガスが減るか、それもかなりの早いスピードで実現できるのです。

日本は知らない間にものすごい農薬使用国になっている今、食の安全はもとより、豊かな土地に戻すことで、気候の温暖化によって起こる自然災害も防げるのです。

たった15年間で中国の砂漠を緑に変えた、このドキュメンタリーもぜひご覧ください。

土が豊かになれば、気候温暖化で起こる大規模の自然災害、そして食糧危機も食い止められます。

そして私たち自身が知識を持って、「農薬に冒されたものを買わない、使わない」、そして「要らないものは買わない」。
本当に必要なものだけを、必要な時だけ買えばいいのです。

例えば、250gの農薬漬けの牛肉を食べて、ましてそれを食べきれずに捨てて、たくさん食べたからとスポーツジムに行って運動する必要があるでしょうか?

50gの自然な環境で育った牛肉を週1回食べて、家の近所を散歩すればどれだけの出費と無駄なエネルギーが節減できるのでしょうか。
卵だって毎日食べる必要は全くありません。

食べているものの品質と量を変えることで健康になれば、医療費だって節減できます。

先週の私の記事に、「海外に住む日本人として、このアジアンヘイトをどう思われますか?子供たちに外では日本語で話さない方がいいと教えるべきか?」というコメントがありました。

私は世界中の人が何人である前に、地球人であるべきだと思います。そして子供たちにはそのように教育すべきだと思います。

それぞれの国の文化は大切にすべきだし、それを誇れるのは素晴らしいことです。
だからといって文化の違いを理由に拒絶したり、軽視したりすることは許されません。白人主義、ブラック・ライヴズ・マター、アジアンヘイト……多様化された社会で今、問題とされていることは限りがありませんが、過去の過ちを認めて謝罪して、学んでから前に進むことが大切です。

違って当たり前の隣人に敬意を払って接する。そして忘れてならないのは、私たちはみんな同じ地球に住んでいて、あとまだ何年もこの地球に住みたいということ。

私も含めて、このロックダウンで学んだ“止まっている時間”を、これからは“何かする前にちょっと止まって考える”習慣にしていきたいものです。

最後の最後に、私の3年間の道のりに愛と寛容を持って担当してくださった編集部の片岡さんに感謝して終わりにしたいと思います。

朝霧に包まれた私の自宅の庭のジャスミン


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