皆さん、こんにちは。梅津奏です。

就職するために上京してきて以来、計4回引っ越ししました。
これは多いのか少ないのか。持ちものは少ない方なので(本以外)引越しは苦ではないのですが、「部屋探し」は苦手です。

ネットや不動産屋さんを回って情報収集して、あっちこっち内見して、比較考慮して、早い者勝ちだとか審査がどうとか、まだるっこしくて。これまでの部屋は内見二軒以内で決めてきました。

最近のせっかち被害事例。シール剥がそうとして大惨事!

 

しかし最近、「仮暮らし気分」から卒業したいなあという気持ちが高まっています。コロナ禍でおうち時間が増えたせいなのか、はたまた周囲の友人知人たちが続々と住まいを購入しはじめているからなのか。

今日は、読んでいるとムクムクとおうち探しへの意欲がわいてくるような選りすぐりの三冊をご紹介します。


「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」マキヒロチ

今、一巻無料で読めるみたいです♪上のリンクから是非。

マキヒロチさんは、トリンドル玲奈さん主演でドラマ化もされた「いつかティファニーで朝食を」の作者。働いていたりいなかったり、結婚していたりしていなかったり、色々な境遇の女性のオムニバスストーリーが絶妙な漫画家さんです。

さて本作の舞台は、吉祥寺にある不動産屋。店の外観はいかにも「街の不動産屋さん」ですが、ドアを開けるとそっくりな顔とぽっちゃり体型の双子の姉妹が。インパクト抜群の二人に、訪れたお客さんはたじたじです。

「じゃあ吉祥寺やめようか?」


なんとなく便利だから、なんとなくおしゃれだから、だって「住みたい街No.1」でしょ?というお客さんたちの話を一通り聞いて、双子が放つ決め台詞がこちら。

「えぇ~~~っ なんで~~~!?」


問答無用で連れていかれたその先には?

7年同棲していた彼氏に振られた女性には雑司ヶ谷、若者とのルームシェアに疲れたフランス人には十条、夢破れてNYから帰国したカメラマンのタマゴに蔵前……。お客さんのニーズを汲み取る鋭い洞察力、そして東京各所についてのふんだんなデータベース(in頭脳)により、繰り出される驚きの提案の数々。一緒に街をぶらぶらしながら、お客さんはその土地での新しい生活を想像してどんどん顔つきが明るくなっていきます。これってなんだか、占いみたい。私も二人に部屋をおすすめしてほしい!

吉祥寺、好きです。写真は、絶品フレンチトーストを食べた多奈加亭。

 


「35歳、働き女子よ 城を持て!」高殿円

 

わたし的、「お仕事小説家」No.1の高殿円さん。「上流階級」「トッカン」シリーズが大・大・大好きです。

もし、あなたが孤独でも、自分で家を買ったら、毎日そこへ帰るたびに、あるいは家賃収入があるたびに、家が自分を褒めてくれるだろう。会社でつらいことがあってだれも助けてくれなくても、家があなたを受け入れ全肯定してくれる。「おかえり、お疲れ様。おまえはすごい。よくこの東京でたった一人で家を買ったな。えらい」って。


「はじめに」から、世の働き女子の涙腺を直撃してくる高殿姉貴。「家があなたを褒めてくれる」って、なんて斬新な発想なんだろう。

本書は、筋金入りの不動産マニアである高殿さんが、出版社勤務の契約社員・35歳独身・年収300万円台のM村さんをともに繰り広げる、「東京で家を買っちゃうぞルポルタージュ」です。

「安心して住めるのはどんな土地?」「実は知られていないリフォームとリノベーションの違い」「ずばり、私、いくらまで借りられますか?」などなど。本音・ゲンジツ・臨場感あふれる、手に汗握るエンタメエッセイ。私も家を買って、家にほめてもらいたいよー!

 

お宅訪問って楽しいですよね。素敵女子な友人のマンションにおじゃましまーす。お洒落な人の家は、ベランダまでお洒落だ。

 


「建てて、いい?」中島たいこ

 

決定的に不幸なことはないけれど、なんだか不調、なんだか不満。

そんな女性のリアルと救いを淡々と描く、中島たいこさん。棚からぼた餅も逆転ホームランもないけれど、一歩一歩着実に前に進むことはできるよねと、優しく読者の背を押してくれるような物語に癒しを感じます。

ここで死ぬのだけはイヤだ。絶対、次の更新までには出よう。いや、それより前に出よう。今すぐ出よう。


本書の主人公は、35歳独身の真理。やり手の従妹が起業した輸入会社に勤務し、可もなく不可もない日々を送っていましたが、ある日アパートの階段から転げ落ち、新しい住まいを探すことを決意します。この発想の唐突感、同じ30代半ばとしてはめっちゃ分かる(笑)。

「家族のための家もあるし、独身者のための家もある。誰が建てたっていいんです。要は、人が住むところ、それが家なんですから」


両親が放置していた土地を買い取り、一人で暮らす家を建てることを思いついた真理。案の定、周囲は「女一人で家を建てるなんて」「まずは婚活でしょう」と大騒ぎ。「私なんかが家を建ててもいいのかな」と不安になる真理に、相談に乗ってくれた建築士(元お見合い相手)がかけてくれた励ましの言葉がこちら。どんな家に住みたいかを考えることは、どんな人生を送りたいかを考えることとイコールなんだなあと実感する一冊です。

 


こんな感じでしょうか。

「風の時代」においては、家を持つことは全人類のゴールではないと思います。色々な選択肢があるからこそ、「今、そしてこれからの私はどこで誰と生きていきたいのか」を自問自答することが大事なんでしょうか。なんて贅沢。そして、難しい問いなんでしょう。


皆さんの、「理想のお家」はどこですか?

 

「今住みたい場所」をイメージして、パッと浮かんだのがここ。四国にある祖父母の家の二階の部屋です。子供の頃から、夏休みに遊びに行くと、この部屋でずっと本を読んでいたな~。