数々の女性ファッション誌で活躍するスタイリストの井関かおりさん。運動とはほぼ無縁だった彼女がこの1年で「山登り」が趣味になり、アウトドアファッションに夢中になっているといいます。スタイリストも納得のアウトドアファッションを紹介してもらいます。

 


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「ナイキ」のアウトドアライン「ナイキ ACG」がおしゃれ!

ジャケット/ナイキ  ACG パンツ/ZARA キャップ/ウルトラヘビー リュック/ロウロウマウンテンワークス  スニーカー/サロモン 

ピタピタのレギンスにショートパンツのいわゆる”山ガール”ファッションは着られないと思い、敬遠していた山登り。いざ始めてみると”山ガール”ファッションでなくてもいいことがわかり、いろいろ調べてみると、気になるブランドもたくさん! そのひとつが「ナイキ ACG」。ナイキというとスポーツのイメージでしたが、ACG(All Condition GearのACG)は、山登りやキャンプなどのアウトドアに特化したライン。私が着ているジャケットがACGなのですが、ナイキっぽいポップな色ではなく、シックな色が揃っていて大人のアウトドアファッションにおすすめです。

靴は「サロモン」というマウンテンスポーツブランドのもので、コムデギャルソンとのコラボシューズを出すなど、話題のブランド。デザイナーの川久保玲さんもプライベートでサロモンを愛用しているそうです。

安全のためにも靴はアウトドアブランドの本格仕様のものを履くようにしていますが、それ以外は普段着も入れてMIXコーディネートにするようにしています。上の写真のコーディネートなら、ボトムをZARAのスウェットにしています。もちろん、かなり本格的な山登りなら、しっかりアイテムを選んだほうがいいと思いますが、私の場合は、楽しく登れる範囲の山なので、普段着も取り入れています。

ジャケット/ナイキ  ACG  トップス/スタニングルアー パンツ/海外サイトで購入  キャップ/ウルトラヘビー リュック/ロウロウマウンテンワークス スニーカー/サロモン

この日も、サーマルトップスとスウェットパンツはアウトドア仕様ではなく普通のアパレルブランドのもの。嵐山という初心者でも登りやすい低山だったので、ライトなファッションに。

「ニューバランス」にもアウトドアシューズがあった!

トップス/スナイデル パンツ/ブラックブリック キャップ/ウルトラヘビー リュック/ロウロウマウンテンワークス シューズ/ニューバランス

ニューバランスのスニーカーは愛用されている方も多いと思うのですが、アウトドアラインがあることも山登りを始めて知りました。中でもおすすめは「ティーハウス ニューバランス」という昨年7月、東京・日本橋浜町にオープンした、デザインスタジオを併設の新ショップで見つけたもの。ハイカットで安定感があり、ポップな色合いがコーディネートのアクセントになってくれます。

元アパレルのデザイナーが作るアウトドアがいい!

 
Tシャツ/ユニクロ オーバーオール/エフシーイー ハット/ハロ・コモディティ リュック/ロウロウマウンテンワークス スニーカー/サロモン

ゆったりとした黒のパンツはオーバーオール。「F/CE.(エフシーイー)」という機能性の高いウェアやアイテムのブランドのもの。このブランドは、元メンズビギのデザイナーと元チャオパニックのバイヤーのご夫妻が立ち上げていて、機能性はあるんだけど、いい意味で普通だから取り入れ安いんです。もちろん、デイリーに着てもいいくらい。

調べてみると、いわゆる一般のアパレルとアウトドアやスポーツブランドの協業でできたアイテムがいろいろあって。たとえばスポーツウェアの「デサント」には、オーラリーのデザイナーが担当する「デサント ポーズ」というラインがあったり。「ザ・ノースフェイス」と「ハイク」のコラボなどはよく知られていますが、いろいろな形の協業でできたラインやアイテムが増えていて、ますます山登りが面白くなっています。

 

いわゆる普通のアパレルブランドの機能性アイテムも狙い目!

 
トップス/クラネ パンツ/エンフォルド ハット/バンヤードストーム リュック/ロウロウマウンテンワークス

最近のお気に入りは「バンヤードストーム」のハット。アウトドアブランドではありませんが、このハットはUVカット素材であご紐つきなので、山登りにも使えます。最近は、山や海に行かなくても、どこにいても気温は高いし、日差しもキツイ。だから、夏のアイテムはUVカットや吸水速乾、撥水などの機能があるものが増えています。おかげで、おしゃれなのに山登りでも使えるアイテムがたくさんあるんですよね。

登る山の難度や気候を考慮はしながらですが、全身をアウトドアブランドで揃える必要はなく、いつも着ている服を取り入れながらで十分に山登りファッションは作ることができます。新しいアウトドアブランドもできていて、”山だから”という特別な見た目ではなく、普段着でも着たくなるようなものも増えています。もし私のように”山ガール”ファッションは嫌だなと思っている方も、新しいウェアが欲しいと思っていた方も、着たくなるものがあると思うので、ぜひおすすめのブランドをのぞいてみてください。

構成・文/幸山梨奈
 

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