世界の新型コロナ情勢は?第6波はくる?


――世界的に見て、感染者数は減ってきているんですか。

 

山田 世界的には残念ながら減っておらず、むしろ少し増加しています。国民の10%も接種できていない国、あるいはワクチン自体を全く入手できていない国もあります。私は東南アジアの医師とよく仕事をしていて、彼らからも情報を得ているんですが、例えばベトナムでは最近になってようやく医師が接種したという話も聞きました。

このように、ワクチン接種の進行状況だけでも国によってかなりのずれが生じていますから、新型コロナが落ち着くまでにはまだまだ長い時間を要すると思われます。

一青 今、日本は人流がとても増えています。飲食店も時間制限がなくなったのでお客さんがたくさん入っていたりするんですね。一方で、第6波が到来するかもしれないと思うといまの状況にも少し不安を覚えます。

山田 以前にお話したとおり、ワクチンによる、感染を予防する効果は2回目接種から半年経つとだいぶ落ちてきてしまいますが、命を落とすような重症化リスクを抑える効果はかなり高いままで維持されていることが臨床試験でわかっています。ワクチンの接種が進んだ日本は時間とともに第6波が来るリスクは上昇することが予想されます。が、今までと比べれば重症化したり命を落としたりする方は少なくなることが期待できます。

お店やイベントの開催者は感染者の増加が心配だと思いますが、再び増えたとしてもまたお店を閉めたり、イベントを中止するようなことをしなくてすむように、ワクチン接種証明書の活用やワクチンの3回目接種をどんなタイミングで誰に行うべきかということを国全体で議論していく必要があるでしょう。また、新たな治療薬も重要な役割をになっていくでしょう。

その上で、これまで同様一人ひとりが予防対策を心がける。そうすれば、かつての日常を取り戻しながら、コロナとうまく付き合っていくことができるようになるのではないでしょうか。
 

構成/中川明紀

 

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