そろそろ春に向けて、インテリアショップに足を運ぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今年も、イケアの「難民キャンプに明かりを届けよう」キャンペーンが始まりました。日本を含む世界40カ国の計300以上の店舗で、3月28日までの2ヶ月間、続きます。

イケアで売られているLED電球。©Elena Yamagishi

イケアでLEDARE(レーダレ)というLED電球を買うと、1ユーロ(約135円)がUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄付されます。集まった資金は、5カ国(バングラデシュ、チャド、エチオピア、ヨルダン、スーダン)にある難民キャンプに、太陽光発電による街灯や室内用のソーラーランタン、熱効率の良い調理器具といった再生可能エネルギー技術をもたらすのに役立てられるそうです。

2014年のイケアのキャンペーンで集まった資金をもとに支給されたソーラーランタンの明かりで学ぶ、シリア難民の子どもたち。©UNHCR/S. Rich

 

日本で、特に都市部に住んでいると、闇の怖さ、不便さとは無縁の生活だったりします。でも、私の現場経験から言っても、難民キャンプのあるような場所は、夜は真っ暗で、特に女性にとっては性犯罪などの危険が伴ったり、子どもが存分に勉強ができなかったりします。ですから、このようなご協力は、とても有り難いのです。

私自身、UNHCR職員としてウガンダ北部に一年間駐在していた頃、電気が通っていなくて、日中は発電機で仕事や生活のための電気を確保していましたが、夜11時頃から夜明けまでは、懐中電灯を使う以外、明かりがありませんでした。治安も良くない中で、そういう体験をしているので、明るさイコール安心というのは実感としてよく分かります。

内戦が続くシリアからヨルダンに逃れて来たミモレ世代の難民女性(40歳)は、こうも言っています。(明かりで安心する、勉強できるといったメリットに加え)「夜も友人と交流できます。明かりがあれば、人間らしい暮らしを取り戻せると思います。」夜のガールズトークが楽しくてストレス発散になるのは、世界共通。命からがら母国を後にした人たちにとっては癒しでもあり、さらに大きな意味を持つのかも知れません。

「難民キャンプに明かりを届けよう」キャンペーンについてもっと知りたい方は、こちらから→2014年の同キャンペーンご報告(国連UNHCR協会HPへ)、2015年版の詳細(イケアHPへ)。