日本人女性の平均閉経年齢は約51歳。その前後5年間の10年間を更年期と呼び、この時期は女性ホルモンの分泌量が上下に乱れながら減少していくので、個人差はあれど心身に不調が出る人が多い時期です。

 

職場にいる身近な女性や母親で、イライラしていていたり、落ち込んでいたりと気分が日によって変化する場面に遭遇したことがある人も多いのではないでしょうか。

40代の女性にとっては、いつ自分に更年期の不調が起こるか分からないという恐怖心もありますよね。更年期は身体の不調はもちろんですが、メンタルの不調も気になるところ。

「更年期世代は責任あるポストに就いている人も多いですよね。企業が心の健康をサポートしていく、ストレスチェックを始めたのは2015年のこと。今では、メンタルケアも企業の義務のひとつになっています」と話してくださったのは婦人科医であり産業医でもある高尾美穂先生。

まだまだ働き盛りであり、子育て真っ最中でもある更年期に訪れるかもしれないメンタル不調をどう乗り越えるのか、事前に何か備えられることはあるのでしょうか?

若い頃から生理やPMSでメンタルが落ちてしまう方、産後うつを経験された方は、更年期うつにも注意が必要です。生理中や産後のメンタル不調を我慢せずに、その時々で適切に対策すること。それがそのまま更年期のメンタルダウンの解決策にもつながってきます」

今回は、生理、出産、更年期とさまざまな女性のライフステージを見てきた高尾美穂先生に、更年期のメンタルダウンへの備えについて聞きました。