更年期を迎える時期は、女性が社会でも家庭でもさまざまな役割を求められる時でもあります。婦人科医であり産業医でもある高尾美穂先生は、「家庭に仕事にと邁進している女性はだれしも更年期の不調を抱える可能性がある」と話します。 

「更年期で身体がつらい」と職場に言う必要はない。伝えるべきは、回復の見込み【高尾美穂先生】_img0
 

「更年期の不調が重い人の特徴として、真面目な人が陥りやすいと教科書的には知られています。『こうしなければいけない』と考えを貫き通したいタイプの方や、『自分はさておき、誰かのために役に立ちたい』という気持ちの強い方もそうです。

 

これを聞いて、『私はそういうタイプじゃないから大丈夫』と思う方もいるかもしれませんが、今の日本社会で役割を持っている女性の多くは、仕事をきちんとこなすし、約束も守っているはず。そんな社会の中で生きているということは、誰しもが更年期の不調を経験してもおかしくないと思っておいてもいいのではないでしょうか」

社会で働いている女性にとっては、誰しもが更年期の不調を経験する可能性があると言います。とはいえ、更年期の不調は、自分の老いを認めることにもなるので、人によっては恥ずかしさや抵抗感を感じる人もいます。

でも、大事な商談や会議中に突然滝汗が流れてくるようなホットフラッシュやほてり、体調不良などがあると、そのことで「会社の同僚たちに伝えていない」ことが、さらなるストレスを引き起こすのも確か。

更年期は恥ずかしいこと? 職場に自分が更年期であるということを伝えた方がいいのでしょうか? 今回は自分の更年期をどう職場に伝えるのかをテーマに高尾先生にお話を伺いました。