2019年に山手線内で心肺停止し、居合わせた人たちの迅速な救助により一命をとりとめたライターの熊本美加さん。自身の経験を踏まえ、「今後は自分が同じような現場に居合わせたときには、即座に動けるように」と救命講習を受けるなど、今では周囲の異変に気を配って生活していると言います。

そんな熊本さんは、ある日電車内で急に目の前の男性が倒れる現場に遭遇。実際の現場に立ち会ってみると、突然のことに思うように身体が動かず、即座に行動できなかった自分にショックを受けたそうです。

8月10日はハートの日。

熊本さんは救命救急について改めて考えてみたいと、公益財団法人日本AED財団実行委員、千葉市立海浜病院救急科統括部長でありNPO法人ちば救命・AED 普及研究会理事長を務める本間洋輔先生に、救命救急の現場に居合わせたときどう動けばいいのか、そして意外と知らないAEDのことについて話を聞きました。

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山手線で心肺停止したのは4年前。以来、救命救急に備えて意識していた!

写真:Shutterstock

山手線内で「まさか」が私を襲ったのは2019年11月。あの日、あの場にいた乗客や駅員さんといったバイスタンダー(救命現場に居合わせた人のこと)の迅速な救命処置と、救命医療やリハビリでお世話になったたくさんの方々のお陰で、今私はここにいます。

私は心肺停止から蘇った経験で、ふたつのコトを思い知りました。

「健康に過ごしているのは当たり前ではない」
「迅速な対応で救える命がある」

だからこそ、「目の前で人が倒れた時に、すぐに動けるようになりたい」と決意! 退院後に私を救ってくれた急性期病院のドクターからかけられた「今度はあなたが社会に恩返しする番ですよ」という言葉も心に深く刻んでいました。

 

以降、救命講習を受講し、普段から道をヨタヨタ歩いている人や電車でぐったりと座っている人をウォッチング。「何かお手伝いしますか?」とお声がけすることもあります。だだのおせっかいになった時はごめんなさい。

でも、「まさか」や「もしも」は誰にいつ襲ってくるかわからない。だからこそ異変を察知できる自分でいたい、と日頃から意識していたつもりでした。