30歳になったときに感じたことを、皆さんは覚えていますか?

「なんだ、30歳になったからといって何かが変わるわけじゃないんだ」

そう安堵した人も多いのではないでしょうか。

そして、40歳になったとき。きっと多くの人が30歳のときと同じことを感じたと思います。しかし、その意味するところは大きく違ったのでは……? 「私は変わっていないな」の裏側にあるのは、恐らく「焦燥感」や「あきらめ」。

「40代にもなれば、何者かになれるはず」

そんな「根拠なき楽観」は、あなたの人生・キャリアにおいて命取りになるかもしれません。会社の言うことを聞き、プライベートと健康を多少犠牲にしてでも働いてきたその先にあるのは……「40代会社員の4割は役職無し=万年ヒラ」という現実です。

孔子は「四十にして惑わず」と言いましたが、令和の40歳は、改めて惑いはじめるスタート地点なのではないでしょうか。

「このまま人生下り坂?」40代以降必要なのは、「人生のつじつま合わせ」


バブル崩壊後に社会に出た就職氷河期世代。正社員も非正規社員も、待っていたのはそれぞれの地獄でした。体育会系の上司、バブル世代のなれの果て「働かないおじさん」、ワーキングウーマンのロールモデル不在問題、宇宙人のような部下たち……。

私たちはいつ報われるの? いつ何者かにしてもらえるの?

「40~50歳代の何者にもなれない大多数の勤め人向けのキャリア本がない」

そんなSNSでの呟きが話題になっていることを知り、本書を執筆されたという健康社会学者の河合薫さん。河合さんはこれまで900人を超える働く人々のインタビューを実施し、心理学などの視点を交えて働き方にまつわる本を多数発表されてきました。

 

定年間近の世代に向けた書籍が代表作となっている河合さんが、本書ではその少し手前の人々に向けて、「自ら動き、人生のつじつまを合わせにいこう」とエールをおくります。

気づけば40代、何者にもなれていない中途半端な自分。苦難にも耐え、自分なりに必死で働いてきたのに、会社はその見返りを十分にはくれなかった。そうしている間に時代は変わり、介護問題・老後の資金問題、そしてZ世代の台頭に四苦八苦する羽目に。これでは、私の人生のつじつまが合わない……。

本の中では、40代から50代の人々の証言をもとに、この世代が置かれている現実を分析します。そして、「これからの人生を楽しくするための7箇条」を解説。今回はこの7箇条と、「勝ち組じゃない私」も悪くないと思える発想の転換についてご紹介します。

 
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