50代、自分の取り扱い説明書が分かって生きるのがラクに


ーー50代になって、生きるのが楽になったと書いてありましたよね。それってどんな感覚なんでしょうか?

青木:自分の“取り扱い説明書”がわかってきました。こういうことに傷ついて、嫌だと思って、嬉しくて、興奮するんだっていうことが、もうある程度わかってる。限界になったときに自分はこうなるんだなってことがわかってるので、それを回避することもできる。私も若いころは苦しかったですが、年齢を重ねて生きるのが楽しくなってきています。

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穏やかな笑顔で迎えてくださった青木さん。とっても優しい方でした。

ーーご病気を経験されましたが、そこから価値観って変わったりしましたか?

青木:病気で180度変わりました。入れ替える努力をしています。本のサブタイトルの「青木さやかの反省道」っていうのは、もう完全に病気をしてからの生き方の変化なんです。嘘つかない、悪口言わない、顔付き(柔和に)、態度(優しく)、言葉づかい(丁寧)、約束を守る、感情を出さない(怒りなど)、不貞腐れない、っていう8つをいつも見直しています。

ーーなぜ病気をきっかけに、反省道を実践するようになったんでしょうか。

青木:病気をしたときに、瞬間的に死がよぎったんです。「死」ってすごい恐怖でした。そのときに、いままでのいろんなことを謝りたくなったんです。過去、傷つけてしまったことをクリアにしたくなったというか。でも謝るのって、賞味期限がある。「昔すみませんでした」って言われても困るので。だったら生き方を変えてみようと思ったんです。

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写真:Shutterstock

ーー今のほうが生きやすくなったとおっしゃっていましたが、それも反省道の実践の積み重ねがきっかけなのかもしれませんね。

青木:やっぱりこういう仕事をしていると悪口を言われたりとか、いろいろ評価されるんです。いい評価だけじゃないですよね。それに対して自分が嫌だなって思っているんだったら、まず自分が悪口をやめてみようかと思ったんですよね。そうすると人間関係も変わってきた気がしますね。

ーー最後に、この本の見どころはどんなところでしょう。

青木:もうこれぐらいの年齢になって、恋愛の話なんかするとみっともないとか、シングルマザーだから娘のことを一番に考えないといけないとか、そういうのを度外視して書きました。本来、娘のことが大事であることと、恋愛することって全然別のことじゃないですか。でも年を取ると、こうしなきゃいけないとか、こう見られなきゃいけないみたいな窮屈な感じになってきて、そこを自分で取っ払いたくて。書かなくていいことや、普通書いちゃいけないようなことまでさらけ出してみたっていう感じですね。読んでいただけたらと思います。

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<新刊紹介>
『50歳。はじまりの音しか聞こえない 青木さやかの「反省道」』
(世界文化社)

話題作『母』の刊行から2年。
50歳になった青木さやかが、等身大の自分を
率直に綴った書き下ろしエッセイ集。


団塊ジュニアとして生まれ、
競争が当たり前と思って生きてきたけれど、もう50歳。
おばさんタレントの居場所について。
バツイチ、シングルマザー、50歳目前での失恋と失意の日々。
癌サバイバーで、パニック症も抱えているけれど、
「反省道」を自分に課して、
「はじまりの音しか聞こえない」!と言おう。 ●1973年生まれ。勝ち組になれなくて ●50歳、「おばさん」の居場所って?●わたしはバツイチ、シングルマザー●48歳の恋。50歳目前の失恋●オトナの恋って?●失恋後遺症らしい●オトコってわからない●こうなったら、マッチングアプリ、そしてお見合い●50歳で期待する「色っぽい」未来●恋愛中毒と副作用●50歳の「反省道」●「断捨離」はオトナへの通過儀礼●独り身オンナと「お金」●離婚はレッテル?未来へのパスポート?●50歳。はじまりの音しか聞こえない


撮影/加藤夏子
取材・文/ヒオカ
 

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