女性の美を支えてきた化粧品ブランド・ポーラが、2021年4月に「ポーラ幸せ研究所」を設立しました。幸せのメカニズムを科学的に分析し、ポーラで実践を重ねながら、得た知見を社会に提供すること。それが目的だと言います。昨今、「ウェルビーイング」(心身の健康や幸福)が注目されるものの、実際に組織やチームにどう落とし込んでいけばいいのか、自分がどう取り組むべきなのか、分からないという方も多いはず。

今回はその実践方法を詳しく紹介する、ポーラ 代表取締役社長の及川美紀さんと一般社団法人ウェルビーイングデザイン理事の前野マドカさんの共著『幸せなチームが結果を出す  ウェルビーイング・マネジメント7か条』から、仕事でも一人ひとりが「幸せ」を主軸にすべき理由について、一部抜粋してご紹介します。

 


今、幸せ?を測る5つの質問


まずは、今のあなたの幸福度を測ってみましょう。幸福学の研究現場では、その人がまずどれくらい幸せかと測るために、もっぱらアンケートを使います。下の「人生満足度を測る5つの質問」は、中でも代表的なものです。ぜひトライしてみてください。

 

<人生満足度を測る5つの質問>以下の質問に答えてください。回答は下表の7つから選択し、該当する点数を合計してください。

①    ほとんどの面で、私の人生は理想に近い
②    私の人生は、とても素晴らしい状態だ
③    私は自分の人生に満足している
④    私はこれまで、自分の人生に求める大切なものを得てきた
⑤    もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう
 
あなたの合計点……【  】点
※アメリカの心理学者、エド・ディーナー教授が開発した「人生満足尺度」をもとに作成
 


さて、結果はいかがでしたか。ちなみに日本人1500人を対象にこのアンケートを行った結果、平均スコアは18.9点でした(2012年)。ただし、次に説明する通り、平均を下回る結果が出たからと、ガッカリする必要はありません。

この数十年間に行われた研究は、幸せをめぐる真実を数多く明らかにしました。その起点にあるのが、幸福度を測る方法の確立です。身長を伸ばす方法を議論するには、身長を測れないと話になりませんよね。それと同様に、「その人が実感している幸せのレベル」をできるだけ客観的に測ることは、幸せ研究の大前提なのです。