人権意識が強くなるとテレビはつまらなくなる?!
今年1月に「テレビと人権」をテーマに審議された会議であがった発言が、大きな波紋を読んでいます。
・人権はもちろん大切だが、人権をうたえばうたう程、テレビだけが宙に浮いてしまって堅苦しい箱になってしまう
・人権意識が強くなりすぎると良い表現ができなくなり、テレビ局の挑戦も締め付けられ、番組がつまらなくなり、世の中から見捨てられてしまうのではないか
第533回 番組審議会議事録概要より引用
もうつっこみたいことは山々ですが、人権に限らず、コンプラや多様性、マイノリティに配慮すると「テレビがつまらなくなる」なんて声は、テレビ関係者だけでなく世間からもよく聞こえてきます。たぶんそういうことを言う人って、「昔は自由でよかった」、「今は面白い表現をしたいけど、叩かれるからできなくなった」とか言うんでしょう。でもきっと、その自由の影で色んな人の尊厳が踏まれていたし、一部の人、もっと言えばマジョリティや強者にとって面白いと感じられただけ。今は「やっちゃいけない」んじゃなくて、「やってももう面白くない」のだと思います。
時代は変わりつつある“令和っぽい作品”の特徴は
とにかく言えることは、「人権に配慮するからテレビがつまらなくなる」なんて、絶対にそんなことはない! ということ。最近は人権やコンプラ、多様性、マイノリティ配慮しつつ、エンタメとして非常に優れた良作がたくさんあります。ここ数年のドラマを見ていると、時代は確実に変わっている……! と感動することが多々あります。今回は、「令和だなー」と感じた2022年~2024年に放送されたドラマについて書いていきたいと思います。筆者が“令和っぽいドラマ”だと思うのは、以下のような作品です。
① 社会問題を踏み込んで描く、生きづらさを描く
② マイノリティに光を当てる、ごく自然に描かれる
③ 恋愛至上主義からの脱却・反ロマンティックラブイデオロギー
前編では、①社会問題を踏み込んで描く、生きづらさを描く、②マイノリティに光を当てる、ごく自然に描かれるドラマ作品について書いていきたいと思います。
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