その人が抱える事情や壁…恋愛以外にも光があたる、美しい瞬間がたくさん


——これまでNetflixは恋愛リアリティショーの名作をたくさん配信してきましたが、新作である「ボーイフレンド」にスタジオMCとして携わることが決まった瞬間の気持ちを教えてください。

青山テルマさん(以下、青山):最高! やった! ワクワク! みたいな感じでした。MC の方々のラインナップを聞いて、その中に混ぜていただけることを光栄に思いましたし、収録日が楽しみで楽しみで仕方がなかったですね。

——これまでの日本の恋愛リアリティーショーは主に異性間の恋愛が描かれてきましたが、今回の参加者は全員男性です。そのコンセプトを聞いたうえで、テルマさんはどんな意気込みで収録に挑みましたか?

青山:もともと特定のジェンダーを色眼鏡で見ることが好きじゃないんですよ。「男の子はこうあるべき」とか「女ってこうだよね」とか、そういうレッテルには本当に興味がなくて。だから今回も特に身構えたりすることなく、視聴者代表としてただただ純粋に映像を楽しむことを心がけていました。実際に収録日はスタジオで映像を見ながら、共同生活を送ることになったボーイズたちの友情や愛情に感動させられて、自然と涙が流れてきて、幸せな気分になって帰りました。で、家でも映像を見返して号泣して(笑)。人間模様だけじゃなくて、食べ物や風景も魅力的だったし、何回見ても色褪せない作品に仕上がっているので、MCの一人として関わらせていただけたことを感謝しています。

【Netflix「ボーイフレンド」】男性同士の恋愛と友情に「マジ号泣!」青山テルマ、若者を見守る役割で気づいた幸せを語る【話題のリアリティショー】_img0
 

——「恋人を見つけること」だけがゴールじゃなくて、共同生活に参加した9人の意思に寄り添った物語が丁寧に描かれていることが印象的でした。

青山:海外制作のリアリティーショーは出演者がバチバチに喧嘩をしたり、過剰な演出が盛り込まれていて、それはそれでエンタメとして楽しいんですけど。「ボーイフレンド」は恋愛のライバルを出し抜こうとしたり、誰かが計算高い駆け引きを仕掛けてドロドロした展開になる感じじゃないんですよ。それぞれがお互いの個性やペースを尊重しながら、恋愛感情がすれ違うことはあっても、仲間として、友人として両思いになっていく過程も丁寧に描かれている。“恋愛リアリティーショー”という言葉でカテゴライズしてしまうことがもったいないくらい、たくさんの美しい瞬間が映し出されている作品だと思います。

——本当に全員を推したくなってしまう作品ですよね。

青山:やっぱり恋愛リアリティーショーって、積極的に自分の“我”を出す人のほうが目立つけど、「ボーイフレンド」は、メンバーみんなにちゃんと光が当たっていていることがポイント。恋愛に控えめでも、その人が抱えている事情や乗り越えようとしている壁に寄り添うような描かれ方をしているから、結局は全員のことを応援したくなってしまう。だから誰も置き去りにしていないし、印象の薄いメンバーが一人もいないんです。
 

 


——それを踏まえつつ、あえてテルマさんの推しメンを挙げるなら?

青山:う〜ん……ユーサクですかね。ナイトクラブでセクシーなショーを披露しているいかついダンサーなのですが、素顔はおっとりした熊さんみたいで可愛いんです(笑)。バキバキの肉体を維持するために鶏肉のシェイクを飲むことが日課で、マジメでストイックな人柄が魅力なのですが、みんなの前でなかなか素の自分を出せない不器用なところもあって。だから恋愛にも少し保守的なのですが、葛藤しながらも自分なりの答えを見つけて行動する姿が本当に愛おしくて。ユーサクが見せてくれた人間臭さに共感することが多かったですね。