お金で買えない18年の苦悩や経験。必要とされたらいつでも与えられるように

——テルマさんは性の多様性を祝うイベントでライブを行ったり、さまざまな場で差別に反対するメッセージを発信されてきました。今回の「ボーイフレンド」は社会に対する問題提起を目的としてはいないと思いますが、それでも何らかのポジティブな影響が広がることに期待したいですか?

青山:私としても、生きてきた環境や信じてきた宗教が違う人たちの考え方を強引に変えるようなアクションをすることは望んでいません。それでも、今回の「ボーイフレンド」のように、お互いの違いを認め合って、少しでもみんなが寄り添える社会になってほしいとマジで思っています。そのためには、自分の周りにいる身近な人たちがハッピーに過ごせるように気を配ることが大事なのかな。まずは隣にいる人の幸せを願って行動する。みんながそうしていれば、自然と世界中に幸せの輪が広がって行くような気がしています。

【Netflix「ボーイフレンド」】男性同士の恋愛と友情に「マジ号泣!」青山テルマ、若者を見守る役割で気づいた幸せを語る【話題のリアリティショー】_img0
 

——近年、オーディション番組のトレーナーを務めるなど、今回のMCも含めて若者の“ご意見番”や“指導者”のような役割を担うことが増えていると思います。その影響でご自身の考え方が変わった部分はありますか?

青山:デビューしてから18年経って、今の私は、自分が経験してきたこと、培ってきた知識や技術を誰かにシェアすることに幸せを感じています。自分で悩んだり苦しんだりして得てきた経験って、お金じゃ買えない財産ですよね。それをシェアすることで次世代の夢を後押しできるなら、これ以上幸せなことはないですよ。昔の栄光を語りながら昔のやり方を押しつけるイタいおばさんにはなりたくないので、慎重に接しつつ、説得力を失わないように自分自身も何か誇れるものを更新していきたいと思っているんですけどね。持てる荷物を大きくできるように、必要とされたらいつでも与えられるように、これからも自分を磨いていく。今後40〜50年、そういうモードで生きていきたいですね。 

——若者に与えるだけでなく、何かを受け取っていることも実感していますか?

青山:もちろんです。私も長く音楽を続けていて、初心を忘れたくないと思っているけど、やっぱり忘れちゃうじゃないですか。日々、いろんなことがあるからさ! でも純粋に頑張っている若者を見ていると、やっぱり大切な感情を思い出せるんですよ。それは今回の「ボーイフレンド」も同じです。ひたむきなボーイズを見ていて、「こうやって生きればいいんだ。こうやって愛すればいいんだ」って教わる瞬間がたくさんありました。まだボーイズに直接会うことができていないけど、もし会えたらお礼を言いたいですね。そして若者のエキスを吸い取ってアンチエイジングさせてもらいたいです(笑)。
 

 


<INFORMATION>
Netflixリアリティシリーズ 「ボーイフレンド」

【Netflix「ボーイフレンド」】男性同士の恋愛と友情に「マジ号泣!」青山テルマ、若者を見守る役割で気づいた幸せを語る【話題のリアリティショー】_img1
 

海の近くのビーチハウス“Green Room”に集まったBoys。ルールは「約1か月のあいだ共同生活をすること」と「コーヒートラックを皆で運営すること」のみ。恋人探しのため、生涯の友を見つけるため、自分を変えるためなど、それぞれに思いを秘めた彼らが織りなす、新たな恋愛リアリティショーが誕生。7月9日より、毎週火曜、全10話を4回に分けてNetflixで世界独占配信。


撮影/水野昭子
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩
 
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