“メリット重視人間”になってしまう背景


メリット重視人間は、これまで「ギブ&テイクが実現しなくて損したことで、傷ついている人」である可能性は高いです
本来は、お互いにギブ&ギブ(無償で相手に与える)くらいの関係のほうがうまくいきやすいのですが、相手が一方的に搾取してくるタイプの場合は、自分ばかりが損してしまいます。
そういう“痛い経験”を多くしてきている人は、これまで損してきた分だけ、「もらえない恐怖感」を抱いてしまうのかもしれません。だから、「相手からもきちんともらわなければ!」と考えてしまうところがあるのでしょう

メリット重視人間でも、「根はいい人」でいることは多い。つまり、これまでの経験で、良くも悪くも培われた「自分にとっての正義、正しさ」によって、メリット重視人間になってしまっているに過ぎないことも。
逆に、人に与えられる人は、ずっと「与えられるほどの豊かさを持った経験をしてきた」という見方もできます。だから、もともとの「性格の違い」だけではない背景が隠れていることもあるのです。
 

 


世の中のシステムが“メリット重視人間”を増やしている


この世界はいつの間にか、「タイパ(タイムパフォーマンス)」「コスパ(コストパフォーマンス)」と成果ばかり追い求める人が増えてきてしまいました。
企業も過程よりも成果主義のところが増えてきています。しかも、社員が会社(上司)の指示通りに仕事をしていて成果が出ないにも関わらず、自分のせいにされてしまうような理不尽なこともあります。そうすると「保身」「自分の利益を求める」といった思いが強くなる人は増えていくものでしょう。

もちろん会社が潰れるかどうかの瀬戸際のときは、きれいごとを言っていられないところもあるでしょうが、意外と「タイパ」「コスパ」と言っている人ほど、目先のことしか見えていないことは多い。
5年、10年後には、一見、「効率の悪いこと」「損しているように見えること」のほうがいい結果を生み出すことだってあるのです。抽象的な表現にはなりますが、どんなことでも“本物”ほど地味で目立たないことが多く、良さが理解されにくいこともありますしね。

人生においての成果は「お金を得ること」だけでしょうか? そんなことはないですよね。
もっと人々が視野を広く持ち、さらに「心のゆとり」を持てるようになると、メリット重視人間や「タイパ」「コスパ」にこだわる人が減っていくところもあるのでしょう。

実は、“メリット重視人間”に対して不服に感じているくらいでは、実は相手と同じ土俵に乗っている(=似た者同士である)場合もあります。
“もう一歩先の関わり方”もあるのです。それについては、次のページで紹介します。