フルタイムで働かないなら、扶養内で働くのがお得…そう聞いたことがある人、そう思って働き方をセーブしている人、いませんか?
ある意味間違いではないのですが、令和の時代、ちょっと今までとは様相が変わってきています。
ファイナンシャルプランナーでキャリアコンサルタントでもある合田菜実子さんに、最新のお話を伺いました。
働き方を考える上で、既婚女性の基準の1つになっているのが「扶養内で働くか否か」。
内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」(2022年発表)によると、非正規で働く女性の5割以上が就業調整をしているそう。つまり、扶養内で働いています。
・子どもや家のことに対応したいから、時間の融通が効く働き方がいい。
・ブランクがあるのでフルタイムで働くのは、自信がなくて。
・とはいえ、家計や将来のことを考えると収入はほしい。
・フルタイムじゃないなら、年金や健康保険のことを考えると扶養内で働くのがお得。
……などが、扶養内で働くことを決めた人の大きな理由ではないでしょうか。
しかし、ファイナンシャルプランナーであり、キャリアコンサルタントでもある合田菜実子さんは、「もちろん、個人の置かれている状況によりますが、可能性を広げるためには、扶養の壁を越えることをおすすめしたい」といいます。
それは、今のご時世にも大きく関係しているそう。
「例えば、東京なら今、時給が1500円くらいまで上昇しています。健康保険・厚生年金など社会保険への加入が必要となる『106万円の壁』で収入を抑えようと思うと、月当たり8万8000円程度。週にすると2万2000円。あっという間に壁を超えてしまうんです。
賃金も上がってきていますが、それ以上に物価も上がっている。そう思うと、週2万2000円にわざわざ抑え込む意味が薄れつつあるわけです」(合田さん)
たしかに。物価が上がっているのに、収入がずっと変わらないのは、むしろ買えるモノが減っているだけでちっともお得じゃないですね。
ちなみに、「◎◎の壁」と呼ばれるものは4つあります。
・106万円の壁…社会保険(健康保険、厚生年金)への加入が必要となる(会社の規模やパート先の掛け持ちなどにより必要ない場合も)
・130万円の壁…社会保険への加入が義務化される(106万円で引っ掛からなかった人も必須)
・150万円の壁…配偶者特別控除が満額受けられる
合田さんによると「昔は130万円の壁が主流だったのですが、今は106万円の壁に移行しており、2024年10月の法改正によりほぼ130万円の壁はかなり縮小される」そうです。
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