令和の新トレンド パートから正社員へ
さらに、「◎◎万円の壁」の影響は、令和の社会問題と複雑に絡み合っています。
「長く働くと、時給は徐々に上がりますよね。そうなると、扶養内で収入を抑えるためには労働時間を減らさなければならない。その結果、ますます人手不足に拍車がかかってしまいます。
今は、女性が働かなかったら日本の経済が回っていかない状態です。そういう視点で考えても、扶養内で抑えるよりも、飛び越えて頑張ってほしいなという思いもあります」(合田さん)
時給が上がるということは、それだけスキルアップしているということ。扶養内という枠があることで、頼りになるからと昇給したにもかかわらず、労働時間がさらに短くなってしまうという、なんとも皮肉なことが起こっているのです。
そんな状況なので、多くの企業が正社員登用の制度を設けているそう。
「昔は、パートはパート、正社員は正社員など、入社する時のルートが違うと職場でも棲み分けがあったと思いますが、今は40代50代でも、パートから正社員になることは可能です。求人票を見るときに、ぜひ正社員登用制度があるか、実際に制度を使って社員になった人がいるか、チェックしてみてください」と合田さん。
企業にとって、正社員を雇用するのはお金がかかるので、パートや派遣社員に切り替えてきた経緯があると思うのですが……。氷河期を経験したミドル世代としては、にわかには信じ難い状況です。
「正社員として雇用するリスクよりも、働き手を確保したい。辞めないように対策したい企業が増えているように思います。
正社員だと、長く勤めてくれるじゃないですか。お金をかけずに人材確保なんて雇い主側の都合にいいことを言っていたら、誰も働いてくれない。なので、企業側も正社員として給料も上げ、ボーナスも出すというメリットの用意が必要になっているのです」(合田さん)
人手不足の深刻さは、ミドル世代にとってチャンスということですね。ただ、やっぱり「扶養内で働くのはお得」なんじゃないんですか?
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