提出先が不動産屋さんであれば、間違いなく却下だっただろう。でもこの国は、不動産も個人でやりとりする人が多く、我が家の大家さんも、自分で店子を毎回探す。
それでも普通のフランス人なら「何この銀行?」と思われたはずだが、なんてったって大家さんの奥さまは日本人。彼女が「○○銀行の明細ね。この講談社っていうのは、日本の大手出版社よ〜」と言ってOKを出して下さったのかどうかは知らないが、収入明細はそれで大丈夫と言われ、思わずこちらがびっくり。もちろん保証人もいなかったのに、あっという間に入居を許可してもらえた。とにかくうちの大家さんにとって、日本人は安心物件と思われている様子だ。
それだけでなく、最初に住んだ15区の家の大家さんからも「日本人だから、信頼しているよ」と言われことがある。その流れで、「中国人には家中を油だらけにされたし、アメリカ人はひどく散らかすから、もう貸さないことにしている」とも教えられた。
実のところ、日本人だって絶対に安心なわけではないし、中国人の友人の家に遊びに行った時は、油を大量に使って料理しているようでもなかったし、とても整理整頓されており、心地いい住まいだった。持っているパスポートだけで判断されるなんてなあとは思うけれど、自分の身に置いては、ここまでの信頼を培ってきてくれた、過去から今までの在仏日本人の方々(と漫画。多分)に、感謝しかない。
……とここまで書いたら、また長くなってしまった。来週こそは、お引っ越しが決まった理由について書こうと思います!
<書籍紹介>
『GOROGORO KITCHEN
心満たされるパリの暮らし』
著:井筒麻三子 写真:Yas
定価:¥1980
講談社
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パリで働く日本人Mamikoが、暮らしのvlogをYouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」でアップし始めたら、日本人だけでなく、世界中の人たち35万人からの熱い支持が!
色や柄を自由に使った小さいけれど素敵な部屋、フランスの家庭料理も普通の和食も作る日々のおうちごはん、蚤の市でのお宝探し、農家からもらってきた2匹の猫……。
パリのおすすめレストランや、喜ばれるパリ土産もランキング形式でご紹介。
YouTubeでは語りきれない暮らしのコツや素顔のパリのエッセイを美しい写真と共にたっぷりとお届けします。
前回記事「パリでの家探しが壮絶すぎる…フランス人との仁義なき不動産バトル【井筒麻三子】」>>
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