結婚生活わずか15ヶ月で離婚を発表した、ジョニー・デップとアンバー・ハード。正直、これほど驚かなかった離婚報道もないかもしれません。というか、誰もが思ったのが「ならヴァネッサでよかったじゃん!!」ということ。

アンバーはたしかに絶世の美女。だけど若いからか、ヴァネッサのような人間的な深みや魅力が感じられないんですよね。最初からお金目当てなイメージしかなかったし、ふたりが並ぶとどうしてもスターとその情婦的な雰囲気が否めなかった……。

ジョニデはアンバーと2009年、映画『ラム・ダイアリー』の共演で知り合い恋に落ちて、14年間連れ添った事実婚のパートナー、ヴァネッサ・パラディを捨てて結婚。しかしアンバーとつきあい出してからのジョニデのキャリアの低迷と言動の迷走っぷりが半端ないのです。2014年には映画の授賞式に泥酔状態で登場して放送禁止用語連発のスピーチをして大ブーイングを受けるわ、主演作の『ローン・レンジャー』も『トランセンデンス』もすべて大コケし、果てには激太りした容姿の劣化のほうが、出演作よりもニュースになる始末。ヴァネッサと一緒にいたときは『パイレーツ・オブ・カリビアン』での当たり役も手にして、あんなにかっこよかったのにね——離婚原因についてもアンバーがDV被害を受けていたと裁判所に訴えて毎月550万円の慰謝料を要求するなど、ドロ沼化の様相を見せています。

そんなワケで今回は、一時期は「世界で最もセクシーな男性」にまで選ばれたジョニデが、なぜここまで落ちぶれたのかという原因を分析しつつ、男性の“女選びとキャリアの関係性”について考えてみたいと思います(離婚の原因についてはほかのメディアでも散々報道されているし、今後新たな事実がどんどん出てきそうですし)。

裸の王様化の悪影響
同じように略奪婚したカップルとして、ジェニファー・アニストンと結婚していたブラピを略奪したブラピ&アンジーがよく引き合いに出されますが、彼らのキャリアは現在も順調。若干ブラピがアンジーの尻に敷かれてフツーのオッサン化していますが、それも微笑ましい感じです。ではジョニデ&アンバーは、彼らと何が違って上手くいかなかったのでしょう? それは、あまりにも夫婦のキャリアや世間的ステイタスに格差がありすぎたということ。

有名俳優の娘でオスカーも獲得したことのあるアンジーは、ブラピより年下とは言え、キャリア的に対等の立場。シングルマザーとして養子のマドックス君を育てていたりバツ2だったりと、人生経験もすでに豊富で、酸いも甘いも噛み分けた大人の女性としてブラピと恋に落ちました。片やアンバーは、小さな作品で主演経験はあったものの、世間的にはほぼ無名の状態でいきなりハリウッドスターの恋人として有名に。それまではルームメイトと共同生活を送っていたような駆け出しの女優と、4億ドルの資産を持つと言われるジョニデでは価値観が違いすぎたはず。

元パートナーで14年間連れ添ったヴァネッサ。フレンチロリータの系譜であるヴァネッサといたことで、ジョニデのおしゃれ感はぐっと上がっていた気がします。

前の事実婚相手のヴァネッサもフランスの国民的スターだったため、夫婦と言えどもそこに同志的な絆や、キャリアに悩んだときもアドバイスのやり取り、さらにはライバル的な適度な緊張感があったと思うのです。それが、若くて美しいだけのトロフィーワイフであるアンバーと一緒になったことでジョニデを律する立場の人がいなくなり、ジョニデの作品選びはグダグダ。さらには元から悪かった酒癖もヒドくなる一方へ。アンバーにジョニデを支配できる性的魅力があったとしても、お金やパワーを持っているのはあくまでもジョニデ。そうなるとアンバーもあまり強くは出られず、ジョニデはやりたい放題ですもんね。ジョニデのように男性側がすでにアラフィフで地位のある男性の場合、周りの誰も言ってくれない耳の痛いお小言もピシっと言えるような奥さんがいないと、私生活でも仕事でも“裸の王様化”がどんどん進んでしまうということなのかもしれません。

久々の思い入れが強すぎるネタで長くなりますので、後編に続きます。

後編は、自己プロデュースの重要性〜男っぷりをあげてくれる女と下げる女〜(6月2日木曜日公開予定)について!

写真/AFLO