人気YouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」のMamikoこと井筒麻三子さんが、パリでの家探しや新しい暮らし方を綴ります。  

我が家には現在、三匹の猫がいる。二匹は以前から飼っていたが、新入りは引っ越し直前に、家の前の空き地でずっと鳴いていたのを保護した三毛猫。二匹以上の猫を飼うつもりなんてまるきりなかったので、当初は里親を探さなくては……と焦ったが、結局見つからなくて我が家で引き取ることになった。

フランスでは、犬猫には生まれ年に定められたイニシャルをつけないといけないという決まりがある。登録書類を整理しやすくするために1926年に導入されたルールで、2024年のはV、W、X、YとZ。その話を人から聞いた私は、新入りには2024年のイニシャルをつけてやらねばと考え、散々悩んだ末にYを使ってYuzu(ゆず)と名付けることにした。

ところがこのルールは血統書付きに限るそうで、家の前で拾った雑種猫には何も関係ないと、後から知った……。ちなみに先住猫二匹の名前を考えた際は、そのルールについてを耳にする前だったので、関係なく名付けていた(二匹共農家でもらってきた雑種なので、それで問題なしだったわけだが)。

猫の世話をほぼしなかった夫が変わった!新しく家族になった「自分で見つけた自分の猫」のすごい効果【フランス在住・井筒麻三子】_img0
人間が大好きで、常にベタベタ甘えてくるゆず。どう考えても野良ではなく飼い猫だったと思うのだけれど、IDはなく、迷い猫サイトなどでも探したのですが、飼い主は見つかりませんでした。

家の前の空き地でゆずを見つけたのは夫だった。「なんだかずっと猫が鳴いている」というので二人で見に行ってみると、果たして小柄な猫が佇んでいる。おいでおいで〜と声をかけたら、なんと近寄ってくるではないか。私がガバッと塀の隙間から取り押さえ、夫が塀の上から手繰り寄せて無事に保護。小柄だったので子猫だとばかり思っていたのだが、獣医さんに連れて行ってみると「この子は歯の様子から約2歳、ベベ(赤ちゃん)じゃないよ」と言われてびっくり。

 

夫が見つけた猫だったため、「知らないよ〜、もう二匹もいるのに。自分で面倒見るならうちの子にしてもいいよ」というスタンスを取った。私は大の猫好きだけれど、半端に面倒を見てからまた手放すのは、猫にとって不幸でしかないと思っている。関わるならば最後までしかないから、その覚悟を持ってもらいたかった。

 
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