組織が変われば、そのスキルは当たり前じゃなくなる
「そこは、思っているほどハードルは高くないですよ。例えば、営業が得意な人でも、営業組織にいると、ものすごい成果を出さないと目立ちません。しかし、技術者しかいないようなスタートアップ企業の場合、『営業ってどうやるんですか?』というところから始まります。お礼メールの打ち方もわからないことも。営業畑にいた人からすると当たり前だったことがものすごく感謝されたり、『すごい!』と言ってもらえたりすることがよくあります。
また、スタートアップ企業側も、経験のある方のアドバイスを求めていたり、ロールモデル的な存在として、副業の方にメンターとしていて欲しいという声もあります」(田中さん)
なるほど。組織が変われば、求められているスキルのレベルも違ってくるわけですね。でも、自分のどのスキルがどこで活かせるのか、見極めるのは難しいそうに感じます。
「ずっと同じ企業で働いていると、自分にスキルがあるのか、それとも会社の仕組みがあるから自分がやれているように感じているのかわからなくなる時期があります。
私自身そういうモヤモヤする時期がありましたし、自分より上の世代の人たちに聞いても同様でした。でも、なぜ転職しないのか伺うと『今の会社が好き』というのももちろんありつつ、『自分が外に出て何ができるのか、どういうことがやりたいのかわからない。今の会社以上に力を発揮できる場所はない』とおっしゃる方がすごく多かった。
でも、それっていろんな環境を知らないから実感が持てない。自信がないことにつながっているような気がするんです。
それが当たり前だと気づかないかもしれませんが、“当たり前ではない環境”は絶対にあります」(田中さん)
副業求人サイトを探していると、エンジニアやデザイナーのような専門職向けのものが多いため、登録すらすることなく終わることも多々あります。
専門職でない人が、自分のスキルを“当たり前”でなく活かせる企業副業とは一体どのようなものがあるのでしょうか?
「日本企業の場合、専門職というより、どちらかというとゼネラリスト的な業務の渡し方をするので、オールラウンドな能力が求められがちです。
lotsfulで取り扱っているのは、エンジニアやデザイナーのようないわゆる技術を持っていないとできない職種ではなく、ビジネス系の職種が中心。特に多いのが、事業開発やマーケティング、バックオフィスだと広報や人事などです」(田中さん)
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