本誌でも大人気連載中の西洋占星術研究家・鏡リュウジさんと、西洋・東洋の枠を超えて未来を読む”当たりすぎる!“占術研究家・水晶玉子さん。旧知の仲のお二人に、2024~2025年に向かう次なる運気の流れと、星々が生み出す気になる現象について伺いました。対談後半のキーワードは「理想と現実のクラッシュ」と「2026年に向けた希望」。そして2025年のラッキーデー&警戒期間もピックアップ。お二人が紡ぐ未来へのメッセージを受け取って!
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2024年年末、刷新と消滅の星・冥王星が、ついに「風」の星座の水瓶座へ。2020年から続く時代の転換期も最終段階に!【鏡リュウジ・水晶玉子】>>
「理想」と「現実」が衝突する時代に。大きく揺れながら、中庸な落としどころを探そう
水晶玉子(以下、水晶) 2025年の理想を司る惑星・海王星と現実を司る惑星・土星のコンジャンクションは、西洋占星術では大きなポイントですよね。
鏡リュウジ(以下、鏡) そうですね。コンジャンクションとは、ホロスコープ上で2つ以上の惑星が重なることでそれぞれのエネルギーが融合し、力を強め合う働きをすることです。重なる角度が近いほど強い影響が出るのですが、今回はそれが牡羊座の0度近く、つまり12星座の始まりの位置で起こります。星々の力が強く働き過ぎて、海王星の「理想」に向って勢いよく進む動きと、土星の「現実」に引っ張られる動きの激しいクラッシュが起きるのではないかと。また、これは占星術の定説なのですが、海王星と土星のコンジャンクションは、社会主義や共産主義に関わることが起こりやすいともいわれています。
水晶 前回の海王星と土星のコンジャンクションは1989年で、「ベルリンの壁の崩壊」が起きました。その前が1952~53年で「サンフランシスコ平和条約」と、日本ではテレビ放送の開始。さらにその前が1917年の「ロシア革命」です。確かに「ベルリンの壁の崩壊」の時も、最初は「これで東西冷戦がなくなる!」と明るい希望を感じたけど、すぐに多くの現実的な問題も浮上してきて、さまざまな衝突も生まれていきました。
鏡 「こうなるといいな」という未来への理想が大きくなる一方で、他では大きな幻滅も生まれて、物事が両極に向かっていったんですよね。
水晶 海王星は約165年で12星座を一周しますが、約165年前の日本は明治維新の少し前の頃。大きく価値観が変化した激動の時代ではありますが、日本はもちろん、世界的にも新しいビジョンのイメージが広がり、前向きに「理想」を追い求めた時代でもあったと思うのですが……。
鏡 海王星と土星のコンジャンクションの時は、新しいビジョンが生まれると、そこに水を掛けるような動きが出てきて、世の中が激しく揺れ動きます。そんな揺れの“真ん中”を見つけていくことが、2025年のテーマになると思います。例えば個人でも、「これがいい」と思ってやり始めても、すぐに「こんなはずじゃなかった」というガッカリ感が沸き起こるかもしれない。でもそこでスパッと止めてしまわずに、もう少しほかのやり方を探してみるといい。また、理想を持つことは大事ですが、そこに熱狂しすぎて視野が狭くならないようにすることも大切です。
争いや戦いは2025年に決着がつき、2026年にひと段落する予感
水晶 東洋の占いでも「揺らぎ」は2025年のキーワードです。2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」で、「乙」は草原に広がるしなやかな草花、「巳」はなめらかに蛇行する蛇。また、オリエンタル占星術では「柳宿」の年で、柔らかく揺れる柳の枝のイメージを持ちます。「こっちかな、あっちかな」と揺れながら前進していく年なので、振れ幅が大きい時ほど、「今、自分は可能性を広げているんだ」と思ってほしいです。
鏡 2025年の前半は木星が双子座に入っているから、振れ幅はより大きくなりそうですね。「あっちもこっちも両方楽しい」でいいのかも。それに2026年くらいになると、天王星、土星、冥王星がいい角度をつくるので、その頃にはちょうどいい”真ん中“に落ち着くんじゃないでしょうか。フランスの有名な占星術家、アンドレ・バルボーも、2026年は世界的に調和がとれる時になるかもしれないと話しています。
水晶 十干でも、争いや戦いは「庚」(かのえ)の年に始まり、5年後の「乙」の年に終わることが多いんです。多少のズレはありますが、源平合戦、関ケ原の戦い、第二次世界大戦もそう。前回の「庚」の2020年に始まったさまざまな混乱や戦いも、2025年に決着がつき、2026年には落ち着いてほしいです。
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