本誌でも大人気連載中の西洋占星術研究家・鏡リュウジさんと、西洋・東洋の枠を超えて未来を読む”当たりすぎる!“占術研究家・水晶玉子さん。旧知の仲のお二人に、2024~2025年に向かう次なる運気の流れと、星々が生み出す気になる現象について伺いました。対談前編のキーワードは「30年前の自分」と「冥王星水瓶座時代の到来」です。お二人が紡ぐ未来へのメッセージを受け取って!
土星が自分の星座に巡ると「歯」が痛くなる⁉
水晶玉子(以下、水晶) もう2024年も終わりますね。鏡さんは魚座(太陽星座)なので試練の星・土星が巡ってきている最中ですが(2023年3月7日~)、今年、「これは土星的!」と思うような出来事はありましたか?
鏡リュウジ(以下、鏡) 土星は30年ほどで12星座を一周し、「歯」を象徴する星なのですが、実は30年ぶりに歯の神経を抜きました(笑)。1~2ヵ月間隔で歯のケアをしていたのに、このタイミングで急に症状が出たんです。「歯の神経を抜くのは30年ぶり」と告げられて、「土星が一周したタイミングだ!」と(笑)。
水晶 それは確かに”試練“ですね(笑)。
鏡 これはジョークみたいな土星的エピソードですが、同時に、自分自身や身の回りのことなど、「いろいろなことが咀嚼できていない」ともいえるのかなと。
水晶 なるほど。確かに土星が自分の星座に入っている約2年半は、向き合うべき現実や、リアルに変わらなくてはいけないことが表面化する気がしますから。それを“咀嚼”しなければならない時期かも。
鏡 土星のテーマは「リアリティと向き合うこと」。「いいこと」と「悪いこと」がダブルで訪れて、それらと真正面から立ち向かい、乗り越えなくてはいけなくなる。
水晶 土星は「試練の年」のほか、「制限の年」「宿命の年」とも言われて悪いイメージが強いけど、土星が自分の星座に滞在する間に思わぬ活躍をし、いい仕事をする人も多いです。それは土星滞在中に大変なことと向き合い、頑張って乗り越えたことで得られるチャンスだったりもします。
鏡 土星は現実的な星なので、物事が分かりやすく形になりすいですからね。
水晶 鏡さんの歯も、ここでちゃんと治療できてよかったんだと思いますよ(笑)。
土星が自分の星座に巡っている「納音」の年は、30年前の自分に思いを馳せて
鏡 東洋の占いでも、そんな特別な運気の周期はありますか?
水晶 東洋の十干と十二支を組み合わせた「六十干支」でも、30年は特別なサイクルになります。「六十干支」は60年で運気を一周するのですが、その半分の30年目は「納音(なっちん)」と呼ばれ、十干は生まれた時と同じで、十二支が過去とのつながりが切れやすく、シビアな選択を迫られる「冲」になります。何かが壊れたり、別れがあったりする一方で、大きな方向転換や清算ができ、新しく生まれ変わるような時といえます。
鏡 土星のサイクルとも似ていますね。土星が自分の星座に巡っている「納音」の年には、30年前にあった印象的な出来事を思い出して、今の自分とつなぎ合わせてみると面白いかもしれません。青春時代のほろ苦い思い出の伏線回収ができるかも(笑)。
水晶 「あの時にあったことは、実はこういうことだったのか!」という気づきや、「当時は諦めてたことをもう一度頑張ってみよう」と思えることがあるかもしれませんね。あるいは、ずっと引っ掛かっていたことが吹っ切れる、なんてことも。
古いものを崩壊し、根底から刷新する動きが急加速。溜まっていた社会の膿みを出しきる動きも
水晶 残り少ない2024年ですが、西洋占星術的大トピック、冥王星の水瓶座入りが11月20日に控えています。
鏡 冥王星は2008年頃から山羊座に入り、2023年からは水瓶座との間を行ったり来たりを繰り返してきましたが、ついに11月20日に水瓶座への移動が完了します。冥王星は物事を根底から刷新させ、冥王星が入っている星座(今回は水瓶座)が象徴することを極端に変化させます。古いものの膿みを出し切って、崩壊させる動きも進むでしょうね。また、すでに起こり始めていますが、人間関係のフラット化はさらに加速する。上下関係がなくなっていくので、対人関係では難しいことも、もっと増えるはず。
水晶 上下関係から学ぶこともあると思うんですけどね……。
鏡 特に上司と部下などの世代の違う関係は、どう付き合っていけばいいのかを互いに考えなくてはいけなくなる。
水晶 2025年には改革の星・天王星が、教育を象徴する双子座に入るので、教師と生徒の関わり方や、学校教育での“教え方”も変わりそう。アプリを使った勉強法、リモートの授業がさらに増えるのかもしれません。
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