女性の場合、とのことですが、そもそも複業自体、男女で捉え方が違うものなのでしょうか?
「男女でという分け方は適切ではないかもしれませんが 、複業をする目的により捉え方が変わってきます。男性はどちらかというと、金銭報酬のためという方が多い印象です。自分の年収をいかに上げるかとか、家庭にお金を残すかとか、ちょっと贅沢したいなというときに複業をする人が、昔も今も割と多めです。また、転職する前提で複業して、いいところがあればそのまま転職してみようという人も一定数います。失敗したくないですからね、転職は。
一方、女性はお金ももちろんありますが、社会との接点を常に作り続けておきたい、本業以外でも関われる場所、コミュニティーを増やしたいと思って複業される方が多い印象です」(大林さん)
たしかに、副業としてクラウドソーシングやスキルシェアを始めたものの、孤独な作業が向かなくて長続きしなかったという人も少なからずいるのも、この辺に起因しているのかもしれません。
自分の市場価値は、自分で決めるな!
「クラウドソーシングだと、顔も名前もわからない人に発注できる。ある意味、誰でもいい。匿名で募るというのはそういうことです。信頼の中でやるというより、その人の時間を買っている感覚ですよね。
そうではなくて、この人じゃないとできない経験、その人しか知らない知識、その人が培ってきた対人能力、扱ってきたツールなど、そういうものに価値を見出す人、自治体、企業は絶対にいます。それが市場価値です。自分で市場価値は決めるなっていう話です。相手を探す旅に出ない限り、自分の市場価値は見出せません。
むしろ、僕が課題に感じているのは、育休産休などある程度ライフイベントが終了した後に、バリバリ働くか、ゆるく働くかの二極しかないということ。その中間地点に複業を持ってきていいと思う。
自治体複業を経験された方は、皆さん『自分がすごく求められていると実感できる』と言います。自治体であれ、企業であれ、複業クラウド以外にもマッチングサービスはあるので、まずは重たい腰を上げてみるのが1つかなと思います」(大林さん)
「自分に副業(複業)できるのかな?」と不安があるのであれば、自治体複業はそれを確認できる絶好のチャンス。クラウドソーシングやスキルシェアでの副業で「求めていたものとは違う」と思ったり、長続きしなかったりした人こそ、チャレンジしてみてください。
次回は、自治体で複業するにはどうすればよいか、採用のポイントなどを深掘りしていきます。
構成/佐野倫子
イラスト/Semo
前回記事「【副業だけど企業で働く(2)】就職や転職と求められるものがまるで別物!? 企業副業の秘策を専門家が伝授」はこちら>>
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