移動支援で隙間バイト→月に1~5万円のお小遣いUP!


介護職として働くために必要な知識や技術を身につける厚生労働省認定の公的資格「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級相当)」を取得して、訪問介護員の仕事をする人が近年増えてきました。初任者研修は130時間の講義と演習を受けた後、修了試験に合格することで取得できますが、資格は取得したものの、家事が苦手で掃除や洗濯などの生活援助をするのは難しい、他人の入浴や排せつの手伝いといった身体介護は何かあったら怖いのでできない、という話もよく聞きます。

もし初任者研修の資格を持っているのに一歩踏み出せないのであれば、介護が必要な人の移動に付き添う「移動支援」をやってみてはいかがでしょうか。障害があるなどの理由で1人での外出が困難な方の外出時のサポートが主な業務で、趣味や買い物を楽しむための余暇支援も含まれます。1日5〜6時間、4日間ほどで、3万円前後の収入を得られます。

ただし介護職員初任者研修では、重度の障害を持つ人や視覚が不自由な人の支援はできません。それを補うのがガイドヘルパーです。資格を取得するためには、都道府県または市町村が指定したガイドヘルパー養成研修を受講する必要がありますが、1~5日程度の研修で修了試験もありませんし、費用も1~4万円ほどなので資格取得までのハードルは低いと思います。「お住まいの地域+ガイドヘルパー養成研修」で検索すると詳細が出てくるので、確認してみてください。研修機関に登録してそのまま働ける場合もありますし、自治体によっては研修費が補助されることもあります。

ガイドヘルパーは親しい友人にも勧めるほどお勧めの仕事で、実際60歳から登録して働き始めた友人もいます。


職場体験で1日5000円の謝礼金も


もし少しでも福祉の仕事に興味があれば、本格的に働き始める前に介護の仕事を体験できる「TOKYOかいごチャレンジインターンシップ」に参加するという方法もあります。東京都福祉局が主催し、株式会社アデコが委託運営を行う介護業界に特化した有償のインターンシップ事業で、体験中は1日5000円の謝礼金が支給されます。

また、隙間時間に働きたいという方には、介護施設とサポートしたい人をつなぐ「Sketter(スケッター)」というマッチングサービスも。報酬は1時間〜数時間で1000円程度とボランティア価格ですが、YouTubeのレクチャー動画の解説をするレクリエーション講師や、施設利用者の前で特技を披露する仕事など、ユニークなものも並んでいます。

 


相談業務で社会貢献→月に5~15万円で生活費もまかなう


メンタルが追い詰められた方からの相談にSNSや電話で対応する「相談支援員」という職種をご存知でしょうか。主にNPO法人や一般社団法人が募集している仕事です。看護師や精神保健福祉士、社会福祉士などの資格が必須の場合もありますが、募集期間内に研修を受講すれば登録できるところもあります。責任のある仕事ですが、模範的な受け答えのマニュアルがあるのでそれほど心配はいりません。相談員自身が共感してメンタルが壊されることがないように、指導してくれます。

1回の勤務は比較的短時間で、時給は2000円ほど。夜間は割増されます。また、SNSの相談員は自宅での勤務が可能なところもあります。この仕事は相談者と向き合い、寄り添うことが大切になってきますが、「誰かのために役立ちたい、社会に対して何かしたい」という想いがある方は検討してみてはいかがでしょうか。

なお、こちらの相談支援員はシニアに限らずお勧めです。実際、筆者の周りのフリーランスのデザイナーが、それだけでは食べていけないと副業でやっていました。福祉的な仕事を専門としている私としては、かなりお勧めです。求人は、Indeedなどの求人情報サイトのほか、ハローワークや下記のサイトでも探すことができます。

■NPO・社会的企業の職員・バイト求人情報サイト「activo(アクティボ)
自殺対策支援センター ライフリンク


自治体の会計年度任用職員→月に15~20万円で貯蓄も可能


毎年10月頃から、市役所や教育委員会などで、かなりの頻度で自治体の「会計年度任用職員」の募集を目にします。こちらは2020年から導入された、あらかじめ任期が決められた非常勤の地方公務員のこと。一般的には4月1日〜翌年3月31日の1年間の任期で、現時点では4回まで更新が可能です。職種は一般事務が最も多く、他に土木、保育士、教員、看護師などさまざま。募集の有無は各自治体のホームページに掲載されていたり、自治体の窓口やハローワークでも情報を得られます。

パート採用であれば週に30時間以内、週4日での募集もあり、フルタイムよりも家庭と仕事の両立がしやすくなっています。また、時給は一般的に最低賃金よりかなり高く設定されているので、月に20万円前後得られることも。年齢も不問ですし、60歳で雇用された場合は65歳まで働けることもあり、シニアにはちょうど良いのではないでしょうか。

こちらの仕事は待遇や制度の見直しが進んでいるので、現状より悪くなることはありません。そういった観点からも狙い目だと思います。

今回は、できるだけフレキシブルな働き方ができるものをご紹介しました。どれも自分の隙間時間を有効に使える上、世の中や人のためにも働ける、やりがいも感じられる仕事ばかりです。

誰もが平等に歳を重ねます。シニア=歳を重ねた時期だからこそ、働き方の転換や退職時期といったライフプラン、キャリアプランは自分で思うように決めるのが一番だと思います。

仕事はお金を手にして豊かになるという側面もありますが、自分自身が楽しむこと、役立っているという達成感も大切なのではないでしょうか。


構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子

 

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