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高齢者の免許返納後の移動手段に電動アシスト自転車が選ばれている──。そう聞いてもいまいちピンと来ないかもしれませんが、電動アシスト自転車に乗るシニアは年々増え続けています。実際、国内シェアNo.1のパナソニックでは、2022年の65歳以上の電動アシスト自転車の商品登録者数は、2015年と比べて229%増となっています。90歳になる筆者の義父も電動を愛用していて、とにかく快適とのこと。そこで今回は、シニア世代の電動アシスト自転車事情を紹介します。

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多発する自然災害…高齢親の災害対策は大丈夫?9月1日防災の日に見直したい「シニア世代のための準備リスト」>>

 


増え続けるシニア世代の電動アシスト自転車


ヤマハ発動機が1993年にヤマハ・PASを発売して30年あまり。当初はモーターが大きく、高価でなかなか手が出せない電動アシスト自転車でしたが、次第に価格も下がって普及が進み、今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。電動アシスト自転車は、ペダルを漕ぐときの負担をモーターが補助してくれるので、漕ぐ力は通常の自転車の3分の1ほどで済みます。子育てママや学生の利用はもちろん、坂の多い街などではさまざまな層が活用していますが、メーカーは高齢者でも乗りやすいモデルを開発していることをご存知でしょうか。

筆者の義父が乗っているのは特に高齢者を意識して作られたものではありませんが、以前走行中に派手に転倒したことがあります。段差でつまずき、顔から転んでかなりの出血がありました。それでも電動アシスト自転車に乗ることをやめられなかったのは、80歳前後で車の免許を返納してしまったから。また、義父は大腿骨にひびが入っているため、長い距離を歩くことができません。それに比べて自転車は快適で、3、4キロの距離なら問題なく走れるとのこと。今は自転車がないと買い物もままならないようで、とても重宝していると話しています。

他界した父はいわゆるママチャリに乗っていましたが、義父と同じように免許の返納をきっかけに自転車を使うようになっていました。ただ、父も転倒を経験していて、二人の親のことを見ていて痛感したのは、高齢者は特に身体能力や体力に合ったモデルを選ぶ必要があるということ。

義父の生活には今や電動アシスト自転車は欠かせないものになっているので、改めてその選び方を近所のショップで確認してみました。

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筆者の義父が愛用しているヤマハの電動アシスト自転車PAS With。特に高齢者に向けて作られたモデルではありませんが、義父にはこちらがマッチしたようです。


ポイントは安定感と乗り降りのしやすさ


高齢になってからの電動アシスト自転車選びは、それまでどの程度自転車に乗ってきたかによって異なります。電動に馴染みがない人も多く、中には電動特有の加速を怖いと感じる方もいるとのこと。各社搭載しているモーターは異なるため、実際に試乗して相性を確かめてみる必要があります。それ以外のところでは、以下のような点がポイントになってきます。

①ふらつかないこと
高齢者はバランスが取りづらく、ふらつきによる転倒事故が多くなります(我が家もこれ)。そこでサドル高が低く、ハンドルまでの距離もコンパクトなタイプを選ぶのがポイント。タイヤも小さいほど重心が低くなり、安定感が出てきます。また、ハンドルは姿勢が前傾しないセミアップハンドルやプロムナードハンドルが安定します(レンタサイクルなどにある一般的なタイプ)。

②フレームが低いもの
乗り降りをする際、足を上げづらい高齢者は前輪と後輪を繋ぐフレームに足が引っかかってしまいます。そのため、またぎやすい低めのフレーム高が好まれるということで、製品カタログには各メーカーがフレーム高を記載しています。

③車体重量が軽いもの
支える力が衰えたシニア世代は、自転車本体の重さによって転倒したり、転倒した自転車を起こせないなどの問題も多く出てきます。そのため、選ぶモデルはできるだけ軽量なものがオススメ。モーターのついていない一般の自転車が約20kgという目安で考えると分かりやすいかもしれません。

なお、電動アシスト自転車には三輪モデルもあり、その見た目から高齢者向けと思われがちですが、実際はその逆です。一般の自転車とは構造や機能が異なるため、操作性が悪く、傾斜や凸凹のある道路ではハンドルが取られてふらついたり転倒する恐れがあるとのこと。高齢者を想定した商品ではないということを覚えておいてください。

 
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