日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、姉妹にまつわるモヤモヤエピソードです。

「口うるさい姉がしんどい…」40歳になっても姉に怒られ続ける妹。説教がやまない原因とは?_img0
 

「あんたは昔からぼんやりしてるんだから!」


エピソードをお寄せくださったのは、7歳違いのお姉さんと二人姉妹だというアイさん(40歳・会社員)。

私は独身で一人暮らし、姉は婿をとって子どもが三人。母は身体が弱いので、心配した姉は二世帯住宅で両親と同居しています。

姉は長女としての意識が強い人で、70歳を超えた両親はとても頼りにしているよう。実家のことは任せきりですが、私は気楽な妹として仕事に趣味に邁進しています。

私と姉は性格も生き方もまったく違います。姉は昔から私にガミガミと口うるさく、正直姉と会うのは気が重いんです……。もう40歳なのになんでこんなにお説教ばかりされるんでしょう。

姉の口癖は「あなたは子どものときからぼんやりしているから」。

大学生の頃は「部屋の掃除は?」「就職活動は?」。
新卒入社した会社でヘロヘロになっているときは「もっとしっかりしなさい!」。
ブラック企業に転職したときは「お母さんに似て体力がないのに働き過ぎ!」。
30を超えてからは「結婚はどうするの?」。
アラフォーになってからは「無駄遣いばかりしてないで貯金しなさい!」「ちゃんとしたもの食べてるの?」。

いつも耳に痛いことを言ってくるので本当にウンザリ。姉は定時帰りがデフォルトの公務員なので、民間企業の働き方に理解もないんです。年が離れているので微妙に価値観も違いますし。

しっかり者の姉を頼りに思う一方、会えば尋問・お説教ばかりなのが分かっているのでちょっと実家を嫌煙する気持ちも。会えばキャッキャとお茶しておしゃべりするみたいな「仲良し姉妹」は私にとっては夢の世界です。

 


「耳に痛いこと」は“救命ブイ”?

「口うるさい姉がしんどい…」40歳になっても姉に怒られ続ける妹。説教がやまない原因とは?_img1
 

しっかり者の姉に、自由人な妹。お姉さんは根っからの面倒見が良い人なんですね。アイさんのことが心配で気になって、ついつい口うるさくなってしまうんだろうな~と想像します。

お姉さんの優しさによるものだとは思いますが、確かに会うたびにお説教されるのはちょっとしんどいですね。「もう私も大人なのに……」と思う気持ちもよく分かります。

一方で、アイさんのモヤモヤ話を聞いて改めて感じたことが。それは、「耳に痛い一言」はときに“救命ブイ”になるということです。

目の前の現実に集中しているとき、「それはおかしいんじゃないの?」「もっとこうしないといけないんじゃないの?」と言われたら、腹が立つこともあるでしょう。でもその言葉は、視野が狭くなっている自分に「あなた、溺れかけてるよ! 目を覚まして!」という助け舟になるかもしれません。

どんなに傍から見て危なっかしい状態でも、「本人がそれで良いなら……」「私が口出すことではないか……」と声をかけるのを遠慮する人は多いと思います。誰も教えてくれないと、本人はずっと自分の状態に気づかないまま。

なんでも言ってくれるお姉さんは、もしかするとアイさんの“救命ブイ”の役割も果たしてくれていたのではないでしょうか。

 
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