「日本を代表するつもりで出演しています」
クールガイそのもののA・J・オオバですが、物語の中盤、感情をぶつけるシーンもあります。堅牢なAIシステムがハッキングされたことが明らかになり、コンコルディアの運営に携わるノア(シュテヴェン・ゾヴァー)と意見が分かれる場面がそれです。人間味あふれる顔を見せるのです。
「プライドの高い技術者ですが、周りの環境が変化したらそれに合わせて動かなきゃいけない。ちゃんと人間の感情を持っている人物なんですよ。自分の必死なところと実は似ていて。感情が乗りやすかったシーンです」と、中島さんが解説するそのワケをさら続けてくれました。
「撮影の時、台詞が変更された台本が当日になって配られることもあって。まさに『え、マジで!』です(笑)。でも、僕はネイティブスピーカーじゃないから、必死に食らいついていきました」。
そこには使命感があったのではないかと聞けば、きっぱりと「日本を代表するつもりで出演しています」と潔い答え。
「日本、アメリカ、カナダ、サウジアラビア、ドイツ、スウェーデン、アイルランド、フランスと色々な国の方が集まったドラマです。日本の役者として素晴らしいと思ってもらえたら、日本に興味を持ってもらえるんじゃないかと思いました。日本のコンテンツをどんどん輸出していきたいって思っているんです。真田広之さんの『SHOGUN/将軍』ウェーブで日本に対する注目も高まっていますよね。この作品は別の角度でリーチして、深掘りされていく作品だと思っています。音楽面ではGEMN、HITOGOTO、ソロ活動も走り出していますが、役者としての日本人としての存在感も高めていきたい」
2年前、ローマでの撮影現場に入った時からこうした思いを強く持って臨んだそうです。
「舐められないようにと思いもしましたが、皆が真摯に親切な現場でした。愛情に溢れていたんです。その分、ストイックだったので、それに全力で応えたかった。緊張感がありつつひたすらに楽しかったです。こんなに楽しい現場は久々でした」。
さらにこんなエピソードも。撮影現場では毎朝、コーヒーを飲む習慣があったそう。「はじめはアメリカーノを選んでいたんですが、そのうちにエスプレッソに。染まっていったんでしょうね(笑)。ある意味、この作品はどんどん僕がイタリア人になるストーリーです。『コンコルディア』というドラマのなかで、僕は必死に生き抜いた断片がぎっしり詰まっている作品なんです」。
日本のトップアイドルという地位があるのにも関わらず、海外ドラマ出演にチャレンジした必死さを惜しげもなく語ってくれた中島健人さん。A・J・オオバとご本人が重なる贅沢な作品であることが見ればきっと伝わってきます。
Hulu オリジナル「コンコルディア/Concordia」
日本独占配信中
最終話は12月13日(金)配信スタート
ショーランナー 兼 製作総指揮:フランク・ドルジャー
監督:バーバラ・イーダー
脚本:ニコラス・ラーシュ マイク・ウェルデン アイラ・ヴァン・トリヒト
出演:ルース・ブラッドリー、ナンナ・ブロンデル、クリスティアーネ・パウル、シュテヴェン・ゾヴァー、中島健人 ほか
©Hulu Japan
構成/山崎 恵
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