「何で今まで観てなかったんだ」“金ロー”で『アナ雪』を初めて観たエンタメライターが徹底分析!観てない人に伝えたい、公開から10年経っても色褪せない魅力_img0
『アナと雪の女王』 Disney+にて配信中。Prime Video、Apple TVほかでレンタル視聴可能。

お恥ずかしながら、あれほど話題になっていた『アナと雪の女王』(以下、『アナ雪』)を観たことがなかったわたし。姉妹愛を中心に描いた作品だということはなんとなく知っていたし、『Let It Go』に関しては至るところで流れていたから、完璧に歌うこともできる。でも、なぜか観るタイミングがなかったんです(『Disney+』課金勢のくせに)。

だから、11月29日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、初めて『アナと雪の女王』を観たとき、「なんでこんなに面白い作品を、今まで観てなかったんだ!」と後悔しました。それとともに、「こりゃ、ヒットするわ」とめちゃくちゃ納得してしまった。ちょうど10年前に公開された映画ではありますが、令和の世を生きるみなさんにこそ、ぜひ『アナ雪』を観ていただきたい! というわけで、今回はわたしが思う『アナ雪』の魅力をたっぷりと語っていきたいと思います。

『アナと雪の女王』とは……?触れたものすべてを凍らせる力を持つ王家の娘・エルサと、天真爛漫な妹のアナ。エルサは、両親が亡くなったあとに国王となるが、“禁断の力”を制御することができず、王国を冬にしてしまう。アナは、姉と王国を救うため、山男のクリストフとトナカイのスヴェン、雪だるまのオラフとともに、エルサを追って雪山に向かうことに。エルサとアナは、“真実の愛”を見つけることができるのか?
 


正反対なプリンセス エルサとアナ、どちらに共感する?


エルサとアナを見ていると、矢沢あいさんの漫画『NANA』に登場するナナとハチを思い出す瞬間があります。たとえば、エルサとナナは、ビジュアルが強めだから、「この子はきっとひとりでも生きていけるんだろうな」と思われがち。2人とも芯があって責任感も強いけれど、繊細な部分もかなり持っていて、「大丈夫! わたしがひとりで解決するから」と突っ走りながらも、実は傷つきやすかったりする。

一方、アナとハチはガーリーな雰囲気を纏っているので、ぱっと見は“守ってあげなきゃ”と思わせる。でも、実際は強メンタルの持ち主なんですよね。それはきっと、他人に弱さを見せられる強さを持っているから。2人とも、ひとりの力じゃ無理だなと思ったら、「助けて〜!」って素直に言うことができるんです。まさに、THE・末っ子気質! わたしは、エルサに共感しながら、アナみたいになりたい〜! と思ってました。

シンデレラストーリーを夢見たっていいじゃない!


結婚してもしなくても、女性が幸せになれる時代に少しずつ近づいている気がします。少なくとも、“クリスマスケーキ理論”(=女は25歳を過ぎたら売れ残りという考え)がはやされていた1980年代に比べたら、確実に生きやすくはなっている。

ただ、その一方で「シンデレラストーリーを夢見ている女の子って、ちょっとダサくない?」というような風潮を感じる瞬間があります。これは、ドラマの影響もあるのかもしれませんが……。最近のラブストーリーのヒロインって、「絶対にいい男をつかまえて結婚してやる〜!」というよりは、「今は仕事が楽しいので恋愛はしなくてもいいです」ってタイプのキャラが多いんですよね。そっちの方が、最先端をいってるから、カッコ良く見えるというのもあると思う。

ただ、個人的には、現状から抜け出すために舞踏会に行った『シンデレラ』や、王子様が迎えに来るのを待っている『白雪姫』のような生き方に憧れる人がいてもいいと思うんです。その点、『アナ雪』はどちらの生き方も肯定してくれる物語でした。そういうところも「『アナ雪』って素敵!」と思ったポイントのひとつ。