クローゼットから溢れ出る服を所有し続けることにストレスが生じ、断腸の思いで服を手放した経験は皆様もおありですよね? 

でも、「もう着ないのかもな」とは思いつつ、なぜか断捨離できない服ってありませんか?

今日は、どうしても手放せない服のお話。

全身黒になりがちゆえ、辛うじて足元だけグレータイツ+白エナメル靴にして、少しだけ軽やかに。キューティ鈴木(まったく定着しない呼称)のオールブラックと違い、迫力がですぎるもので。
にしても、撮影されることに慣れません。「もうどうしたらよいのやら」の苦笑いをたたえることしかできず。早くサングラスをかけても違和感のない季節になっておくれ! あ、髪切りました!

このウール素材のトレンチは10数年前に購入したものです。まったく袖を通さない年もありましたが、急に「やっぱり好き!」が再燃し、今年はよく着ています。ちなみにこちらはオーセンティックなデザインと見せかけて、裾や袖口、エポーレット、ベルトにいたるまで切りっぱなしで仕上げられており、自分の中のアバンギャルド期(苦笑)に購入いたしました。

そして、レザーのタイトスカートはコンサバと見せかけて太腿の中央までくるような攻撃的なスリットの深さに心を射抜かれ、数年前に試着室からレジへと直行したもの。なのに、その翌年には気分ではなくなりクローゼットに数年寝かせたままに……が、この冬は「やっぱり、あなたが好きなの」状態に再度突入し、ヘビロテしています。
 

突如、オンナっぽいアイテムが着たい衝動にかられたときに愛用しています。このスカート、伸縮性がないレザーなので、自分の体型の微妙な変化もチェックできます。さらに、足さばきがオンナっぽくならざるをえないので、自分の日常の所作を鑑みるにも便利です(苦笑)。

というわけで、一度、自分が溺愛したものに飽きてしまっても、もう一度、いや幾度となくブームが再燃しがちなので、断捨離するタイミングが本当に難しい。ヴィンテージショップでのお買い物も好きなのですが、自分のクローゼットの中でリアルヴィンテージが醸造されていく過程もまたファッションの醍醐味だと思ったりするもので(苦笑)。 

ブームが再燃したアイテムに袖を通すたびに「また、君を着たい! まだ、君を好きになれる!」と心から思える自分が嫌いではないのですが、はちきれそうなクローゼットを眺める度に、間違いなく近い将来に訪れるであろう「断捨離Xデイ」を想像し、今から切なくなっている自分もいるのでした。

CREDIT :
コート/ジュンヤ・ワタナベ・コム・デ・ギャルソン
ニット/ユナイテッドアローズで購入
スカート/メゾン・マルジェラ
靴/コム・デ・ギャルソン

大森葉子

主にビューティ担当。「今日は夏休み?」と聞かれてしまうほどの“ど”カジュアルと「今日は何かあるの?」と聞かれてしまうほどのデザイン性のある服が好き。ほぼ“一目惚れ”買い派。

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