一言に日本伝統や芸術といっても、なかなか触れるきっかけがつかめない、興味はあるものの敷居の高さに足が遠のく・・・という方も多いかと思います。
実は私もその一人。
以前から日本舞踊の世界に興味津々だったのですが、どうやったら触れる機会ができるの?と思っていたところに、ミモレブロガーの関瑠璃さんとの素敵な出会い。いつかお会いできたらな〜と思っていた矢先に、ミモレ2周年パーティーで嬉しい対面が叶いました。
ちょうど日本舞踊協会公演を目前に控え、念願の舞台鑑賞する機会を与えていただきました。


ところで、日本舞踊の世界となればストイックで少し高尚なイメージ。この初体験に、私も少しドキドキ。会場の半分以上が男性ともに着物姿で、その独特な空気感にも圧倒されます。

歌舞伎の舞台でも同じことが言えるのですが、幕が開け、黒紋付で統制された雛壇、長唄を始め三味線やお太鼓の音が会場内に心地よく広がり、ピーンと張った空気が会場内を覆う、この瞬間が私はたまらなく好きです。
間も無くして舞が始まると、舞踊家の凛とした佇まいやしなやかな手の動き、豊かな表現力、そしてストーリー展開は、難しいとか、入りづらいと思っていた概念を覆すほど面白く、すっかりその世界にのめり込んでしまいました。言葉はわかりづらくとも、所作の一つ一つに登場人物の思いがわかりやすく投影されているので、初心者でも十分楽しめます。ストーリーを細かく解読することより、心で感じたり楽しむことも、歌舞伎や日本舞踊では楽しむ方法の一つではないでしょうか?
さて、今回の一番の目的は花柳基さんが演じる「喜撰」。なんとも軽妙で、独特。歌舞伎でも有名な演目で、私も何度か観たことがあります。

この「喜撰」のこと少し調べてみたのですが、上半身は男、下半身は女のような動きを表現するのが特徴。ただ、その女っぽい独特なまろやかな動きを出すためには、この軽妙な動きからは想像できないほど、下半身をしっかり安定させ、体を酷使させるほどハードルの高い演目だそう。
なるほど、おもしろおかしく軽々とやっておられましたが、あの一度観たら忘れられない動きこそ、想像以上に厳しく、熟練された技であることに納得させられます。爆笑の中に、花柳基さんのしなやかな動きはとても優雅で、品格が漂うのは、円熟で極められた踊りだからこそ。私もすっかり魅了させられました。
春一番が吹き荒れた日本列島に相応しく、桜が咲き乱れる喜撰の舞台に一足早い春の訪れを満喫しました。
瑠璃さん、心から感謝です♡

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