こんにちは、編集・川端です。今日はまた新しい作家さんの翻訳ものをご紹介します。
B・A・パリスの『完璧な家』。B・A・パリス氏の処女作で、完璧なカップルに見えて実は怖いサイコ・ミステリーとして2016年版『ゴーン・ガール』だと注目を浴び、イギリスで100万部を超えるベストセラーに。

舞台はイギリスの郊外サリー州。ロンドンへも通勤圏内で中流の豊かな人が住む地域だそう。主人公はグレース・ハリントン、32歳。彼女にはダウン症の妹がおり、両親から引き取って一人で面倒を見ていました。ある日公園で出会った超ハンサムで優しいジャック・エンジェルに見染められてあれよあれとプロポーズを受けてゴールイン。
グレースはロンドンのハロッズでの仕事を辞めて、ジャックの用意した郊外の新居へ移り住み、夢のように幸せな新婚生活へと胸を高まらせるのですが……。
私も先にあとがきやレビューを読んでしまうタイプなので、この後の展開が全く幸せでなく、ジャックがどんどん怖くなっていくことを知りながら、このルンルンな時期を読むのは辛い……。
冒頭は、結婚後の友人を招いた自宅での夕食会から始まります。グレースはホームパーティのホスト側の完璧な妻として完璧な料理ともてなしを披露し、ジャックも惜しみなく妻を褒め称えるのですが、、、、なんかすごく緊張感がある。この違和感はなんだろう、と読み進めると、どんどんジャックの異常性が姿を現してきます。
処女作とは思えない安定感。細かい描写に深読みさせる怖さが薄気味悪くずっと漂っています。映画化されないかしら!


などと、“完璧な家”のように見せて、そうでもなく、いろいろあるけど、人をもてなす時の装ったり、演じたりする感じ、ジャックの家じゃなくてもあるよねー、と思いつつ読んだのでした。
『完璧な家』は『ゴーン・ガール』のように残虐な怖いシーンは出てきませんので、サイコミステリー好きな方は是非!
ではではまた〜。
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