GWも後半突入ですね。気持ちの良い天気も続き、お出かけの方も多いのでは?私もどこ行こうか・・・と思っていましたが、連日テレビで交通渋滞や混み合った観光地を見ると気持ちが萎えて、都内にこもることに・・・。

ということで、私のGWは専ら映画観賞。おまけにどれも皆様にぜひ観ていただきたい秀逸作品ばかり。もしお時間あれば映画館へ!

■メットガラ〜ドレスをまとった美術館

 

絶賛開催中のメットガラ。5月の第1月曜日にメトロポリタン美術館で開催される祭典はアナ・ウインターが発起人となって、今では最大級のガラパーティーとなっている。年々華々しくレッドカーペットを飾るドラマとは別に、これまでの古典的なミュージアムの在り方や政治的背景など厳しい状況と折り合いながらキュレーションを行う舞台裏の緊張感漂うドキュメンタリー。

「ファッションは芸術と呼べるのか?」美術史としてなかなか理解えれない現実の中、キュレーターや関わる全ての人の情熱や飽くなき探究心に只々感動。見応えたっぷりの作品でした。

■午後8時の訪問者

 

名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルレンヌ監督が挑んだサスペンス。「ザ・サスペンスドラマ」だと思っていたら、いい意味での裏切り感にのめり込んでしまった、ヒューマニズム溢れる作品。淡々と流れるストーリーの中に、熱意ある1人の医師のひたむきな姿勢が強く心に響く作品。
全く派手さはなくても、若き熱意ある医師を演じきるアデル・エネルの演技があまりにも素晴らしく、まるで実在してるか錯覚をおこすほど。
貧困や移民の多いフランスの実情がこのストーリーの背景になってるのが、さらにリアルさを引き起こしているような気がします。
「素晴らしい」の一言に尽きる作品でした。

■ブルーハーツが聴こえる

 

オムニバスムービー。それぞれの監督がブルーハーツの歌を題材にストーリーを展開。どのストーリーも良かったのですが、最終話の「1001のバイオリン」を撮った李監督のストーリーは、まさかの展開で衝撃的でした。

舞台は福島の今。原発でやもえなく強制退去を強いられた一家。東京での生活も馴染めない中、必死で過去を忘れ現実に向き合う家族と、その中でただひとり、現実と折り合えず苦しむ父親。
このストーリーは単なるフィクションとして片付けられません。彼らのような家族は今まだたくさん実在していて、本当の震災は未だ終わっていないというのが現実。

それでもストーリーの最後は美しい朝焼けの中に「1001のバイオリン」の歌が流れ、未来に向かって生きようとする主人公の力強い雄叫びと涙が印象的で、思わず号泣。ショートムービーであっても、李監督の鋭い視点と訴えたいことが凝縮された、素晴らしい映画でした。