米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

Lionsgate / Photofest / ゼータイメージ

タイトルのイメージだけで映画の内容を予想して食わず嫌いしてしまうこと、ありますよね。今月紹介する『恋愛だけじゃダメかしら?』は、もっと軽いコメディかと思っていたら意外にも切羽詰まった内容で面白かった!

全米でベストセラーになっている“妊婦のバイブル”を映画化しているそうで、見事にいろいろなタイプの妊婦さんが出てくるラブストーリーに仕上がっていました。
妊娠してもバリバリ仕事を続ける人や不妊に悩む人。流産してしまう人や年の差結婚をした人。それぞれのエピソードにやりすぎ感がなくてリアルだから、笑いながらも「もし自分が同じ立場だったら⁉」と自然に考えさせられるんですよね。

しかもオナラやチビってしまう問題まで、妊娠してからの身体の変化もしっかり描かれていて、出産未経験の私は、実際にはどうなんだろうと興味津々。イクメンたちのエピソードも入っているから、パートナーと一緒に観てもいいかもしれません。

華やかなキャストのなかで印象的だったのは、ダイエット番組の人気トレーナーを演じたキャメロン・ディアス。彼女にはやっぱり、こういうハツラツとした役がよく似合う! ダンス選手権に出場するシーンでは、かなり身体を絞って練習したんだろうなぁと思わせる、見事なダンスも披露しています。
養子をもらおうかと悩む女性を演じたジェニファー・ロペスもやさしい表情を見せていて、すごく美しかった。いつかは産みたい、と考えているミモレ世代の女性におすすめの一本です。

『恋愛だけじゃダメかしら?』
リアリティ番組のダンス選手権でコンビを組んだダンサーとの子どもを妊娠したトレーナー。高校の同級生との間に予期せぬ妊娠をしたホットサンド店の店主。妊娠のせいで絶不調になったベイビーグッズ店のオーナー。それぞれの妊娠の形を描くラブコメディ。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。