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モデル今宿麻美×スタイリスト百々千晴が激論!大人のためのストリートカジュアルとは?

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今年2月にミモレに初登場し、話題を呼んだ今宿麻美さん。その際はご夫婦でのインタビューでしたが、今回はなんとスタイリング提案で登場! 今宿さんが絶大な信頼を寄せるスタイリスト百々千晴さんとともに「大人のためのストリートカジュアル」を提案していただきます。

今宿麻美(いまじゅく・あさみ) 1978年、宮崎県生まれ。18歳でモデルデビューし、モデルとして圧倒的な人気を誇る。2013年にスタイリストのMASAH氏と結婚し、2人の男の子の母に。2017年秋よりディレクターを務めるウィメンズウェアブランド「SEASONING(シーズニング)」をスタート。Instagram@imajuku0107
百々千晴(どど・ちはる) 2002年渡英、2004年より東京をベースにスタイリストとして活動をスタートする。雑誌、広告を中心にスタイリングを手がけ、現在は「Union Magazine」編集長、ブランドディレクターとしても活躍中。12月9日には新刊『THE DODO JEAN - ジーンズ3本でスタイルは決まる!』が発売される。

 

2018年はストリートカジュアルの始め時?


ミモレ:そもそもストリートカジュアルとは何なのでしょう?

今宿:なんでしょうね(笑)、私がモデルを始めた90年代は、ストリート全盛期だったし、“裏原”という時代でした。スキニーパンツにTシャツ、スニーカーが定番。メンズライクなパーカーやデニム、ユニセックスなアイテム。ボーイッシュなスタイルでした。

百々:今宿さんが着ればなんでもストリートになりますからね。だってストリートの神様だもん!

今宿:苦笑。最近はまたストリートなアイテムが増えていますよね。

百々:そうそう。ハイブランドもこぞって“ストリート”や“スポーティ”をテーマにしていますから。特にパーカーは、今シーズンあらゆるブランドから出ていて、かなりストリートカジュアルが盛り上がっているといえるんじゃないでしょうか。

ミモレ:“ストリート”というと若い世代のもの、と思ってしまいがちですが、大人の女性が今着るとしたら、どうしたらいいでしょうか?

今宿:私のところにも「ストリートは何歳まで着ていいですか?」という質問がたまに来るんです。でも、ストリートに限ったことではなく、ファッションに年齢は関係ないと思います。自分が好き、着たいと思えば、いくつでも着ていいんじゃないかな。

百々:そうなんです。「みんな、他人の目線やルールに縛られないで!」と言いたい! ファッションで大切なのは、今宿さんもおっしゃったように、自分がその服を好きかどうか、着ていて気持ちがいいかどうか。それがすべて。好きで着ていると、自信を持って人前に出られるから、その自信が着ている人のオーラになる。オーラがあれば、究極のところ何でも似合っちゃうんです。

今宿:好きな服を着ていると、テンションも上がるし、気持ちもポジティブでいられますよね。昨年にはブランド「SEASONING」を立ち上げたくらいストリートカジュアルが好きですが、とはいえ、やっぱり選ぶものは、年齢を重ね、子供を産み、育てるようになって、変わってきました。素材は特に着ていて肌ざわりがいいもの、心地いいものを選ぶようになりました。あとはシルエットやサイズ感、抜け感も吟味します。いずれにしてもまずは着てみて、自分に合っているかを確認します。

まぶしいブルーのパーカーは、今宿さんがディレクションするSEASONINGのもの。ワイルドなパーカーに合わせるボトムは一体? 来週12月2日公開の3回目を待て!

百々:そう! 着てみるというのは本当に大切。あとは決めつけないことも重要かな。この前、ノースフェイスに友人とダウンジャケットを見に行ったんです。友人は黒のジャケットを探していたんですが、店頭にはMとXLしかなくて。普段なら当然Mなんですが、ふとXLも着てみたら、オーバーサイズがとても今っぽくて、結局友人はXLを買ったんです。私も欲しくなって、同じデザインのベージュを試着したんですが、ベージュだとXLは膨張して見えて、Mのほうがバランスがよかったんです。同じデザインだとしても、色によってバランスよく見えるものは違うし、いつも着ているサイズが、今のトレンドや気分、自分の体型に合うとも限らない。だから自分で着てみて見極めることが大事なんです。

 

他人ではなく、自分が好きかどうか、それが最優先の判断基準


ミモレ:自分に似合っているかを見極めるのは、簡単なことではないと思いますが、どうしたらできるようになりますか?

今宿:良いところも悪いところも含めて、自分と向き合うことが大事だと私は思っています。私も40代に入って体型だって気になるところもありますし、顔だってシワもある。でも、隠すんじゃなくて、自然体でいい。シワだって年齢を重ねてきたからある素敵なものと思うようにしています。

百々:シワにしても体型の気になるところにしても、隠そうとしても隠しきれなくて透けて見えてきちゃうものなんです。でも、人って隠されるほどに見たくなるもの。だから隠さずに潔く出したほうが、意外に人の目に留まらないんですよね。

今宿:確かに、隠されていると、見たくなりますね(笑)。完全に隠すことなんてできないから、いいところを伸ばすことに注力したほうが絶対にいい! 

百々:なんだか話がストリートカジュアルから離れてきちゃいましたね(笑)。

今宿:でも、自分が好きと思えるか、自分を知って肯定することは、ストリートに限らず、おしゃれを楽しむ基本だから、ぜひ皆さんに伝えたかったんです。

百々:本当にそうだよね。判断を他人に委ねず、自分が好きかどうか、似合うと思うかの見極めを意識的にすることは、自分のスタイル作る上でも大切なこと私自身もスタイリストとして長く仕事をしていますが、やっぱり基本は実際に試してみること。次回からのスタイリングも「こっちがいいな」とか「これは合わないかも」というのは、実際に今宿さんに着てもらって最終的に決めましたから。色合わせやサイズ感にしても、思ってみなかったものがしっくり来ることもあります。たとえば、次回以降のコーディネートで登場するオレンジのスカートと水色のバッグ。当初は別のアイテムを合わせようと思っていたんですが、持ってもらったら、とても新鮮なのにしっくり来て。試すのはタダ! どんどん試してみましょう。

コーディネートの全容は来週12月5日公開予定! お楽しみに。


ミモレ:これから久しぶりにストリートカジュアルが着てみたいなという方におすすめのお店やアイテムはありますか?

百々:いちばん始めやすいのは、行き慣れているセレクトショップに置いてあるストリートアイテムを手に取ってみることかな。手持ちのアイテムともあわせやすいと思いますよ。次回からのスタイリングでも、いろいろなブランドやアイテムをMIXしてコーディネートしているので、ぜひ参考にしてみてください。


次回11月29日から4回にわたって今宿さんの私服と百々さんセレクトのアイテムで、大人のためのストリートカジュアルを提案していただきます! お楽しみに。

撮影/三瓶康友
スタイリスト/百々千晴
ヘア&メイク/河北裕介
モデル/今宿麻美
構成・文/幸山梨奈

 

第2回「大人になった今着るならストリートの“加減”はどれくらい?」はこちら>>