ファッションエディターの発田美穂さんが、大人世代におすすめしたいアイテムやコーディネート術、テクニックをご紹介します。

ジャケット、昔から好きなんです。きれいめなスタイルが好きな私にとっては基本のアイテムという感じ。特にTシャツの季節には、ジャケットのありがたさをひしひしと感じます。ジャケットの正しさというか、きちんと感を土台にすれば、カジュアルアイテムもぐっと自分らしく着こなせる。結局、おしゃれの自由が利くんですよね。

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ジャケット/エイトン ロンT/ミラオーウェン スカート/デパリエ バッグ/メゾンカナウ(佐藤佳菜子さん別注) 靴/ZARA

このジャケット×Tシャツみたいな話。いつだってこの“ほしこま”コラムで書いているような気がします。おしゃれのバランス論というか、永遠の“年相応問題”について。いや、もうですね、精神論だけでいけば、若い気分でいるに越したことはないです。そんなのご自由ですから。年相応とか、年甲斐もなく、とか、そんな言葉なんかもはやどうでもいいです。どうぞ、どんどんやっちゃってください。

ただこれがファッション、って話になると、そう簡単にはいかないのが悩ましいところ。やっぱり顔や体と装いとのバランスというのは、確実にあります。そこは気合いだけではどうにもならない。極論、人の目も何もかも気にせず、我が道をいくハートの強さがあれば、それはそれでまた、ご自由なんです。だって本人が楽しければいいんですから。

あいにくそこまでハートが強くないもので、あれこれ考えているわけです。この服が好きだから着たいけれど、どうもしっくりこない。似合っているのかな。若作りになってないかしら。イタイ感じじゃなかろうか。などなど。

 

そんな中、いつだって心穏やかに着ることができるのがジャケット。その時々でシルエットや素材感などはちょっとずつ変わっても、ジャケットというアイテムがもたらしてくれる安心感。

そういえば、若い頃は若い頃で、ジャケットを着ると老けて見える? 必要以上に落ち着いて見えちゃうかも? 迫力が出ちゃう?? などなど。今思えば可愛らしいお悩みを持っていたのでした……遠い記憶……。でも、もはやそんな心配はまったくございません。だってそれなりに老けてるし、十分落ち着いてるし、迫力だってありますけど何か? ですから。

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ってことで、大好きなジャケット。今年はテーラードではなく、ノーカラージャケットを手に入れてみました。これだけでずいぶん新鮮な気持ち! 気分が変わってうれしい! ディテールが削ぎ落とされるだけで、ぐっとシンプルに。意外とストイックな感じもあって、そこもお気に入りです。

ロングスカートとジャケットの合わせはもはやマイ定番ですが、それもノーカラーというだけでちょっとバランスが変わります。今回はシンプルなロンTを合わせていますが、例えばパンツなら、ボウタイとかフリル襟とかを出してもいいかも! 

ということで、おかげさまをもちまして、すっかりジャケットが似合う年齢になっておりますし、自分としても着ていて大層落ち着きますので、これからもジャケットのおしゃれを楽しんでいこうと思います。

構成/幸山梨奈
 

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