ほとんどの人はマスクを正しく使えていない

 

「風邪やインフルエンザを予防するためには、飛沫感染をいかに防ぐかがカギになります。
そのためには“マスク”が有効だと私は考えます。マスクの効能は、①飛沫を防止する、 ②喉の乾燥を防ぐ、③マスクをしていると自然と顔を触らない、という3点です。指先にウイルスがついていても、マスクをしていれば鼻や口を触ることがありませんので、接触感染も防ぐことができます」

 

一方、欧米ではマスクは医療関係者が使用するもので、一般の人は着用しないため、マスクについての効果を研究した論文はほとんど存在しないそうです。
しかし、そんな中でも大谷先生は上記のような3つの点でマスクの効果を有効だと考えているのです。

特に筆者が納得したのは、「③マスクをしていると自然と顔を触らない」。
パソコンの前で考え事をしているといつの間にか顔を触っている自分としては、マスクをするだけで指先からの感染接触を防げるなと感じました。

「マスクについての研究論文は少ないのですが、製薬会社のエーザイの調査でマスクの利用実態がわかります。調査に協力したマスクを利用している日本人男女310名のうち、『マスクの着用は感染症予防に有効だと思っている』という人は、97%もいました。それにもかかわらず、73%の人はマスクを正しく使えていなかったのです。
マスクの誤った使い方の例としては、『ウイルスが付着したマスクのフィルター部分を触ってしまっている」が43%、『マスクを外した後、手洗いできていない』が54%もいました。
この調査結果も踏まえて、正しいマスクの使い方を、4つのポイントにまとめました」