ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、10年以上事実婚状態を続けたのち、アラフォーで結婚を決めたえりなさんにお話を伺いました。

えりなさん(53歳)、大輔さん(56歳)。20代で交際し、十数年事実婚した後に39歳で入籍。

結婚ってめんどくさい。そんな風に感じていたえりなさんが、家を買うローンのために事実婚からの入籍を決意。十数年間も一緒に暮らしてきても、結婚したら何か変わるものなのでしょうか。

 

えりなさん:う〜〜ん。実は、苗字が変わることの煩雑さくらいしか変化を感じてないんですよね。あとは、入籍前から彼とうちの親は仲良しだったのですが、両親が年を取ってきて老後の面倒をみなくちゃという話になったとき、スムーズに話ができたことくらいですかね。彼とパートナーとして一緒に居られることには感謝してるけど、入籍に関してはどっちでもよかったな、というのが正直な感想です。
 

結婚後もお互いの貯金も収入の額も知らず、食費はえりなさん、光熱費は大輔さん、家のローンはそのときお金がある方が払っておこう、と、家計は相変わらずのどんぶり勘定。

えりなさん:お互いお金の計算が苦手。その辺のゆるさが一緒なんです。今は夫婦になったので、どっちのお財布から出しても同じだし、という気持ちがより強くなったのはあるかもしれないですね。計画性がなさすぎて、このまま行くと、もしかしたら30年後には泣いているかもですが(苦笑)。
 

どうやら最初からわりと自由に暮らしてきたおふたりは、入籍しても特に変化はなかった様子。

お互いに異性の友人が多く、えりなさんが男友達とご飯を食べに行っても大輔さんは気にしないし、大輔さんが女友達と出かけるのも自由。普段仕事で出張が多い大輔さんは休日は出かけたくない。それに対してえりなさんは、休みならどこかに遠出したいタイプ。だから大輔さんを置いて友人と旅行に出かけることもしょっちゅう。こういう関係は、もしかしたらおふたりに子供がいないからできるものかもしれないですね。

でもよ〜く伺ってみると、えりなさんと大輔さんの間には、元々すごく強い絆があって。だからこそ、籍にこだわる必要がなかったのだと感じました。

えりなさんには自閉症の弟さんがいらっしゃるのですが、大輔さんはえりなさんのご実家に初めて遊びに来たときから弟と意気投合して、実の兄のように可愛がってくれているそう。

えりなさん:弟は関西の実家に居るのですが、毎年私たちの家にGWやクリスマスに二ヶ月くらい泊まりにくるんです。大輔さんは弟のことが大好きで、本当に気が合うみたい。弟の絵の発表会に勝手に行ってたり、私とはフェイスブックも繋がってないのに、弟とは繋がっていてしょっちゅうツーショットを上げていたり。だからみんなは本当の兄弟だと思って居るくらい。そういうこともあって、籍は入れてなくても、家族という意識はずっとありました。
 

また、大輔さんが海外出張中にえりなさんが階段から落ちて背中を打って検査入院をした際には、すごく心配して共通の友人に「見舞いに行ってくれ!」と連絡して、友人がえりなさんにご飯を持ってきてくれたことも。大した怪我ではなかったため、えりなさんは恐縮してしまったとか。

そう、大輔さんはとっても愛情深い男性なのです。

えりなさん:愛情表現もストレートで、イタリア人みたい。いつも「愛してるよ〜」と言って気軽にハグやキスをしてくれたり。彼の両親はごく一般的な日本人なのに、大輔さんだけ突然変異のラテン系なんですよ(笑)。私の弟にもよく抱きついてます。

 

愛情表現薄めな日本人男性が多い中、そんな風にちゃんとわかりやすく愛を示してくれる旦那さん、うらやましい!

だけど愛情表現が豊かということは、ケンカも激しそう。おふたりはどんなときにケンカするのか、そして夫婦円満の秘訣とは。そのお話は、次回に続きます!
 

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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