『silent』(フジテレビ)より

「佐倉(想)くんと付き合ってた時の紬。若かったとかもあるんだけど、なんかこうキャッキャしてて、キラキラしてて。なんだけどね、戸川(湊斗)くんといたこの3年の紬は、穏やかでポワポワしてて落ち着いてて幸せそうだった」

『silent』(フジテレビ系)第5話、紬(川口春奈)の親友・真子(藤間爽子)の言葉がブッ刺さって、ブッ刺さって……(同志、いませんか?)。放送から1週間経った今でも、なんだかずっと考えてしまいます。キラキラする恋と、ぽわぽわする恋。結局、どっちの方が幸せなんだろうって。

 

キラキラする恋と、ぽわぽわする恋のちがい


まず、キラキラする恋の魅力は、“恋してるな”って実感できるところにあると思います。友人に、「ねえ、聞いて!」って惚気たくなるし、いつでもいちばん可愛い自分を見せたくなる。自然と美容院に行く回数も増えて、彼の好みに合わせた服を買ってみたりして。

湊斗が、「紬、想といる時がいちばん可愛いんだよね」と言っていたのは、“キラキラ”して見えたからだと思うんですよね。たしかに、想といる時の紬は、一生懸命女の子っぽくしようと頑張っている感じが、伝わってくる。デートの直前まで鏡をチェックしていたり、「帰ろう」と言われて、「やだ!」と甘えてみたり。家族や親友といる時とはまったくちがう紬の姿が、そこにはありました。

でも、湊斗の前では、弟の光(板垣李光人)や親友の真子といる時となんら変わらない。無理していない感じが、伝わってくるというか。紬も、「湊斗といるとさ、家族みたいで、一緒にいて緊張感ないっていうか。安心しきっちゃって。(中略)それがね、居心地よかった」と言っていたけど、“恋してるな”って感覚はあまりなかったんだろうな。いちばん可愛い自分を見せたいというよりも、素顔のままの自分を見せられる。

家族や親友がいつでもそばにいてくれるのと同じように、紬にとって湊斗の存在は“生活”の一部になっていたと思うんです。だから、無意識のうちに相手が自分のなかにいる。美味しいごはんを食べた時は、当たり前のように「これ、食べさせたいな」ってつぶやいている。紬の湊斗に対する想いは、恋というよりも愛に近かったんじゃないかな。

キラキラ→ぽわぽわルートが、いちばん幸せ?


じゃあ、湊斗といる方が幸せじゃん! と思ってしまうかもしれないけど、それはまたちがって。筆者は、キラキラがぽわぽわになっていくのが、いちばんいいんじゃないかな? と思うんです。

だって、最初から紬は、湊斗の前で緊張感がなかった。初めてのお泊まりのはずなのに、ボサボサ頭でも平気だし。湊斗に、「前髪、こんなんなってるよ」と言われるまで、気付かない。しかも、指摘されたあとも焦って直すのではなく、100均のヘアピンで無造作に止めるだけ。想と付き合っていた時は、1mmのズレも許さないほど前髪を気にしていたのに!

どんな自分も見せられるというのは、幸せですよね。湊斗だって、普通の恋ならうれしく感じていたと思うんです。大好きな相手が、自分の前でリラックスした姿を見せてくれることに。ただ、湊斗はずっと見てきていたから……。想の前で、一生懸命可愛くいようとする紬の姿を。だから、自信をなくしてしまったのかもしれません。紬は、“ぽわぽわ”している自分を見せられる相手がいることに、安心感を抱いていたはずなのに。

キラキラだけでも、疲れてしまう。でも。最初からぽわぽわだと、お互いに“好き”が分からなくなってしまう。じわじわと、本当にじわじわと、キラキラがぽわぽわに移行していく恋が、いちばん幸せなんだろうなぁ。紬と想なら、そういう2人になれるのかな。

ただ、湊斗推しの筆者としては、「湊斗にキラキラしてくれる女の子は、絶対にいるから!」と声をかけてあげたい。そのキラキラした女の子を、ぽわぽわにさせていく力が、湊斗にはきっとあるから! ぽわぽわ始まりの恋はうまくいかなかったけど、紬も湊斗も、“キラキラ→ぽわぽわ”ルートを成功させてほしいなと思います。

 

前回記事「『silent』の湊斗が「当て馬というかもはやヒロイン」説。紬と想への想いが眩しすぎる!」はこちら>>

 
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