洋服のプロであるスタイリストの中でも、特に整理整頓上手として知られる佐藤佳菜子さん。一切無駄がなく、合理的かつ理論的な、佐藤さんのクローゼット収納法と朝のコーディネートの極意を、前後編2回に分けて教えてもらいます。

前回記事
着たいものがすぐに見つかる!「ストレスのないクローゼットの作り方」【スタイリスト佐藤佳菜子さん】>>

 


バッグはもちろん靴も!
コーデに必要なすべてを
クローゼットコーナーに収納

何度見ても惚れ惚れする、スタイリスト佐藤佳菜子さんのクローゼットコーナー。

前編では洋服の収納の仕方と、システマティックな朝のコーディネートの考え方について教えてもらいました。後編の今回は、気になるバッグや靴、その他小物類の収納方法について教えてもらいます。
 

バッグの収納には
ハンギングタイプの
収納グッズを駆使

 
ハンギング収納(この他にもさまざまなバリエーションあり)/IKEA

「インスタグラムなどでよく質問をいただくのが、バッグと靴の収納について。これも前回お伝えしたコーディネートの考え方と一緒ですが、やはり一気に見渡せる状態であることがとても重要です。

バッグのコーディネートって、服よりはもう少し選択肢が多いんですよね。もちろん荷物の量など現実的な問題もありますが、色を服に合わせて馴染ませていくのか、あるいはポイントとして色を効かせるのか……など方向性によっていくつかチョイスがあることが多いですよね。だからこそ、手持ちのバッグはすべて見渡せる状態であることが大切です。

私はIKEAのハンギング収納をバッグ入れとして使っています。今までにもいくつか収納グッズを試してきましたが、これが一番使いやすい。ボックス型に仕切られていて1スペースに1つバッグを入れることができて、さらにしっかりスペース分けされているので潰れたり、型崩れしたりする心配がありません。

その日使うものを取り出して、帰ったらその空いている場所に戻すだけ。物の居場所がはっきりするので、整理整頓も簡単です」
 

靴も玄関ではなく
クローゼットコーナーに
収納するのが佐藤さん流

 

「靴は玄関の棚やシュークローゼットに置いているという方が多いと思うのですが、私はクローゼットコーナーにバッグと同じ方式で収納しています。スタイリストという職業柄、一般の方よりは持っている靴の数が多く、この量を収納できるスペースが玄関にはないという現実的な問題もありますが、もし収納できるスペースがあったとしても、今のこのスタイルの方が便利だと思います。

だって、スタイリングにおいて、靴って本当に重要な存在! どんなにコーディネートが素敵でも、靴で台無しになったりしますし、逆にシンプルなコーディネートも靴の存在でぐっと格上げすることもできる。

それからパンツやスカートの丈感と、ヒールやソールの高さとの関係も重要です。さらにタイツやソックスとの、色合わせやバランスもとても大切。コーディネートと靴は切り離せない存在で、ならば、同じ場所でトータルで考えられた方がいいに決まっているのです!」
 

この収納グッズを見つけたおかげで
チェストの中がすっきり!

「さすがの私も(笑)、チェストの中だけはなかなかすっきりとした収納ができずにいたのですが、これを見つけてからはノーストレスに! 家では下着の収納に使っているので商品画像になってしまって申し訳ないのですが、こんな風にメッシュ素材でできた仕切りボックスなんです。中身が透けて見えるし、適度にハリがあって自立はするのに、しなやかなメッシュだから幅をフレキシブルに調整できる。ギュギュッと入れられるので、チェストのサイズを厳密に測る必要もありません。

これを使うようになってから、下着やアンダーシャツの類が本当にすっきり収納できるようになりました。靴やバッグと同様、使って洗濯が終わったら入れてあった場所に戻すだけ。

やはり収納と整理整頓の基本は、“物の居場所を定めてあげること”なんだと思います。そこから取り出して使って、またその場所に戻す。この一連の動きがスムーズにできる状態をいかにして整えるかが、肝心なのかも!」
 

佐藤さんが
唯一“外に出しておいてOK”
にしているものとは?

スチーマー/ティファール

「もうお気づきかと思いますが、とにかく物を出しっぱなしにすることが大嫌いなんです。でもそんな私でも、唯一出しっぱなしにしているのがこのスチーマー。スイッチを入れれば30秒程度で起動するので、気づいたらすぐ、服を着る前に気になるシワをさっと伸ばします。

ある程度年齢を重ねてくると大切なのは清潔感。どんなにおしゃれで良いものを着ていても、服がきれいじゃなかったら、やっぱり素敵には見えないと思います。“感じの良さ”の30%か、もしかしたらそれ以上に? 人の印象を左右するのは、服のきれいさかも。だからこそスチーマーはすぐ使える場所に置いておいて、服を清潔に保つことにストレスを感じずに済むようにしています」
 

撮影/佐藤佳菜子
構成・文/発田美穂
 

前回記事「着たいものがすぐに見つかる!「ストレスのないクローゼットの作り方」【スタイリスト佐藤佳菜子さん】」>>