「不安」が尿漏れを増長させる。避けた方がいいNG習慣


実際に尿漏れを経験すると、「また急に漏れてしまうのでは……」と不安になるもの。ただ、その不安からくる行動や習慣が、さらに尿漏れしやすい身体にしてしまっている可能性があります。

実際に、尿漏れに悩む患者さんによく見られる、避けたほうがいい習慣について伺いました。

 

・尿意がないのに何度もトイレに行く
尿漏れの不安から、行けるときにまめにトイレ行っておこう、となりがちですが、これは逆効果。我慢する習慣がなくなり、膀胱に尿をためることができなくなります。朝起きてから寝るまでの平均排尿回数は5〜7回で、8回以上だと頻尿です。日中は3~5時間の間隔が空くのが平均なので、トイレに行き過ぎている場合は意識して我慢することも大切。

・分厚い吸水パッドを手離せない
尿漏れ対策で、常に吸水パットをつけている方も多いです。パッドのサイズが大きくなるほど気が緩むのでしょう、逆に漏れやすくなる方が増えていきます。毎日パッドをつけていると、蒸れたり擦れたり、フェムゾーントラブルを引き起こすこともあります。短時間の外出などは、吸水ショーツなどを取り入れるなど使い分けるのも肌にいいと思います

・過剰に水分を取っている
「健康のために水をたくさん飲んだ方がいい」「1日2ℓ飲むのがいい」などとよく聞きますが、実はこれにはエビデンスがありません。人が1日に排出する尿の量は1~1.5ℓ。食事だけでも水分はかなり摂取していますので、尿漏れが気になる場合は1日1ℓ程度摂取すれば充分です。また、アルコールには利尿作用があるので、寝る前の飲み過ぎには注意。

・塩分の取りすぎ
しょっぱいものを食べると水分を取りがちになり尿量が増え、頻尿につながります。またむくみの原因にもなります。

 

「このほかに、習慣ではありませんが尿漏れを起こす原因のひとつとして、体重の急激な増加により骨盤底筋に負荷がかかっているケースがあります。特に閉経後からは、体重を急激に増やさないことや、BMI25以下に保つという体重管理も大切です。また、『子どもの時にバスに乗ってお漏らしした経験があって、以来トラウマでずっと頻尿』『トイレに行けない環境になると急に尿意を感じる』といった心の問題を抱える方もいらっしゃいます。その際は精神科系のお薬を処方したり、心療内科をご紹介することもあります」