「ペットと共に生きる」のに最適な環境を分かっていなかったから


共同住宅に住んでいる場合は、「ペット可」なのかは確認しておくことは大事です。
なかには、住んでいる家がペット可だと思って保護犬を家族に迎え入れたのに、あとからペット不可であることが発覚し、ペットのために急いで引っ越した、なんてケースも。

また、動物によって快適な室温が違います。私は今、セキセイインコを飼っているのですが、セキセイインコは特に寒いのが苦手。寒い日でも室温が20~30度である必要があるので、私が外出しているときでもエアコンはつけっぱなしにしています(※もちろんその分、電気代はかかります)。

さらに、「旅行好きの人」「泊りの出張が多い人」は注意が必要です。ペットホテルに預ける場合は、毎回、「自分の旅費+ペットホテル代」がかかるということです。
しかも、ペットホテルに預ければ安心か、というとそういうわけでもなく、ペットは「自分が捨てられた」と勘違いして、食事拒否や下痢をしたりして、大きなストレスを感じてしまうこともあるのだとか。
大事な家族がそんな状態では、気軽に旅行を楽しもうという気分にはなれなくなるでしょう。

 

「自分の未来」を想像していなかったから


「ペットの未来」は考えていても、「自分の未来」はシミュレーションしていないケースが少なくありません。
もし今後、「新たにパートナーができたり、結婚、出産、子育てをしたりすることになっても飼い続けられるのか」は考えておいたほうがいいです。

ペットは、ある意味、“連れ子”のような存在です。パートナーに「動物と暮らすこと」の理解をしてもらわないといけないですし、もし相手に動物アレルギーがあった場合は一緒に住めないでしょう。
その他にも、たとえば、自分が鳥を飼っていて、相手が猫を飼っていたら、愛鳥が危険な目にあう可能性が高いです。
もちろん、はじめから「別居婚にする」というのもアリですが、一時期はそれでよくても、若い夫婦の場合は、その後、子供が生まれても別居婚のままでいくのか、さらに、子供が動物アレルギーだった場合はどうするのか、という問題も出てきます。

それだけでなく、ペットのほうに「メンタルの支障」が出てくることもあります。たとえば、我が家のように、インコが私を“つがい”だと思っている場合は、ハートブレイク状態になってしまうでしょう。あんな20センチくらいの小さなインコでも、ちゃんとハートがあるのです。
鳥はストレスをためると、自らの羽をむしり取ったり、噛んだりしてしまうことがあり、それが致命傷になってしまうことも。
どんなに小さな動物であっても、「分からないだろう」なんて甘く考えないで、相手のメンタルを考えてあげることは大切なことなのです。

「自分よりも長生きする動物」を飼ってしまったから


飼い主が自分の年齢を考えずに、長生きする動物を飼ってしまうと、ペットよりも先に自分が他界してしまうこともあり得ます。
“平均寿命”を考えて大丈夫だと思っていても、“健康寿命”では微妙なこともあります。自分が介護施設に入ることになり、飼えなくなってしまうこともあるでしょう。

動物の平均寿命は、犬は14年くらい、猫は15年くらいと言われています。セキセイインコは7年くらいですが、同じインコでも、コンゴウインコやヨウムは50年ほど!(驚)。しかも、平均に過ぎないので、もっと長生きすることもあるのです。

とはいえ、自分の寿命がいつまでかは誰にも分かりません。また、病気をして入院することもあり得るでしょう。
元気なうちに、「自分がなにかあったときに、ペットの世話を頼める相手」を見つけておくことは大切なのかもしれません。

個人的には、ペットを飼ったのに、捨ててしまう人は、「ペットから愛をもらえる」と期待をしてしまっていることが多いのでは? と感じています。
単に「寂しいから」「自分の心を癒してほしいから」という理由で飼ってしまう人ほど、手放しやすくなることもあるのかもしれません。それについては、次のページでしょうかいします。