自由に、したいことをすればいい


こうして少しずつ自由を実感できるようになった井筒さんは、年齢や周囲の視線などは関係なしに、自由なことをしてもいい、ということにも気付いていきます。

「日本にいた時は、こう見えて私も一応周りを気にしていました。でも、フランスだとみんな超勝手で超いい加減。そんな人たちを見ていると、誰かに何かを言われたわけでもないのに、なんで自分で勝手に足かせをはめていたのかと。

いくつになっても、自分がしたいと思ったことがあればすればいいし、諦めなくてもいい。それが自分の人生なのだから。今回、私が書いた本にも、そういったことが伝わればいいという思いが込められています」

 

井筒さんにとっては、初の著書を書くことも、新たな挑戦のひとつ。ライターとして誰かに取材して記事を書くことと、自分自身の本を書くことは、同じ書くという行為でも、大きな違いがあります。

「本は、何か秀でたものを持っている人が書くものだと思っていました。私は秀でたものはないし、強いこだわりがあるわけでもなく、むしろ凡庸。でも、尖ったところがない分、料理やインテリア、蚤の市めぐりなど、いろんなことに興味を持っています。いろいろな“好き”があって、多くのことにトライしてきたからこそ、凡庸と思っていた自分にも少しずつ積み重ねができて、それが本になったりするのだから、自分自身が驚いているほどです」

井筒さんが主宰するYouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」も、井筒さんの好きなことや興味のあるものが積み重なって、今では154カ国、35万人以上の人に見られるコンテンツに成長しました。

「今は、大きいこだわりがなくても、ちょっとしたことでもあれば発信していける時代。だからこそ、もっと自由に、好きなことをしていいと思うんですよね」
 

インタビューは全3回。最終回は4月20日公開予定です。

インタビュー前編
「癒やされる〜」となぜか世界にファン続出!パリの日本人夫婦の“普通の暮らし”が愛される理由【井筒麻三子さんインタビュー】 >>

<イベントのお知らせ>
GOROGORO蚤の市 & POP UPストア


4月17日(月)〜24日(月)
六本木 蔦屋書店

麻三子さんがフランスの蚤の市で買い集めたアンティーク食器や雑貨の販売(売り切れ次第終了)や、本に掲載された夫・ツーさん(フォトグラファーのYasさん )による写真のパネル展、麻三子さんセレクトの「旅に行きたくなる10冊」の販売などが行われます。

4月23日(日)には、麻三子さん&川良編集長のトークイベントを開催。
トークの後には、サイン会も! リアル参加のチケットは完売していますが、イベントのオンライン参加+サイン本がセットのチケットは販売中です! ぜひご参加くださいね。
*4月23日(日)はトークイベント&サイン会チケットをお持ちの方のみ蚤の市で買い物ができます

詳しくはこちらから>>

<新刊紹介>
『GOROGORO KITCHEN  
心満たされるパリの暮らし』

著:井筒麻三子  写真:Yas
定価:¥1980
講談社


Amazonはこちら
楽天ブックスはこちら

パリで働く日本人Mamikoが、暮らしのvlogをYouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」でアップし始めたら、日本人だけでなく、世界中の人たち35万人からの熱い支持が! 
色や柄を自由に使った小さいけれど素敵な部屋、フランスの家庭料理も普通の和食も作る日々のおうちごはん、蚤の市でのお宝探し、農家からもらってきた2匹の猫……。
パリのおすすめレストランや、喜ばれるパリ土産もランキング形式でご紹介。
YouTubeでは語りきれない暮らしのコツや素顔のパリのエッセイを美しい写真と共にたっぷりとお届けします。 


井筒麻三子 Mamiko Izutsu
エッセイスト、ライター。米ボストン大学大学院修了後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。『25ans』等の編集者として7年勤めたのち退職し、フリーランスに。ビューティ エディター&ライターとして活動する傍ら、文藝春秋『クレア・トラベラー』編集部にも5年在籍し、旅取材などを担当。2014年よりフランス在住。日本語・英語・仏語の3ヵ国語に通じており、著名人インタビューやパリ、フランスのニュース取材などを数多く手がける。2020年より、パリでの日々の暮らしや蚤の市での買い物、レシピなどを紹介するYouTubeチャンネル『GOROGORO KITCHEN』をMamikoとして、フォトグラファーである夫Yas(愛称ツーさん)と共にスタート。2023年3月現在で、35万人の登録者を誇る人気チャンネルとなっている。
Instagram:@mamigorota


撮影/Yas
文/吉川明子