タイミングや「運」、そしてモチベーションをくれる存在に恵まれたと思う


――甲斐さんの活躍は本当に目覚ましく、話題作には全部出演されている!というイメージです。この度、日本初上演となる『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に出演。しかも、全役オーディションという超難関の高いハードルを超えて、クリスチャン役を演じることに。映画などの分野でも活躍されていますが、甲斐さんが“ミュージカル”というフィールドに惹き付けられている理由は何ですか?

甲斐翔真さん(以下、甲斐):ミュージカルのオーディションを初めて受けたのが『RENT』なんですけど、その後に『デスノート THE MUSICAL』があって、『マリー・アントワネット』や『ロミオ&ジュリエット』があって……。ミュージカル作品は一度上演されると、再演まで2~3年空くことがほとんど。やりたい! と思っても「2年待ってね」というのが普通にある中で、これだけ続けて出演できたのは本当にタイミングと“運”だと思っています。ミュージカルに出る理由はといえば、本当にただ僕が好きなだけです(笑)。それまで僕が知らなかった役も、実はとっても魅力的な役だったり、ということなどもあって、とにかくやっていて楽しいんです。

 

今回『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のオーディションに合格したときは、ただただ嬉しくて! いまだに信じられないですね。自分が『ムーラン・ルージュ』の世界にいて、しかもクリスチャンを演じられるなんて。

 

この作品は2021年にアメリカでトニー賞を受賞した印象が一番強くて。オーディションを受けるにあたり、色々調べてるうちに、個人的にブロードウェイでクリスチャン役を演じたアーロン・トヴェイトさんが好きになって。カッコいいなぁって思ったんですが『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のおかげでインスタ友達になれました。お稽古場などの投稿をすると、たまにいいね! を押してくれます。


――甲斐さんのInstagramを拝見しました。ブロードウェイ版で同じ役を演じたアーロン・トヴェイト氏とはニューヨークでお会いになったんですよね。実はそれだけでなく、奇しくも『ネクスト・トゥ・ノーマル』のゲイブ役、『RENT』のロジャー役など、何度も同じ役を務めたことがあるとか。

甲斐:そうなんです。お会いしたときに僕のことを「Japanese Aaron」って、ジョークで紹介してもらいました(笑)。彼のスター性と、それに負けないテクニックはとんでもないんです。そこに惹かれます。“素晴らしいお手本”というのも違う気がするのですが……、もう本当に“先駆者”ですから。何と言ったらいいか分かりませんが、背中を見られる存在がいるので、彼の歌を聞いて、自分のモチベーションにしています。